K-POPタテ・ヨコ・ナナメ斬り【番外編】

2020年、K-Popに氾濫した「ドゥンバキ」楽曲はなぜ生まれた? 音楽的側面から解説! 21年はaespaとStray Kidsに注目!? 

2021/01/04 19:10
サイゾーウーマン編集部

20年に聞いてほしかった1曲を3人が選出!

 20年リリースの楽曲から、3名が「聞いてほしかった」楽曲をそれぞれ選出。K-Popアイドル曲と、そうでない曲をそれぞれ1曲セレクトしてもらった。

ラブ子セレクト!

WOODZ『BUMP BUMP』

 紆余曲折を得て再びソロとして再始動したWOODZことスンヨンくんの2作目。前作とはガラッと印象が変わって、MVもステージもとびきりキュートな作品に仕上がっていますが、聞けば聞くほどWOODZらしい野心と葛藤が伝わる骨太な1曲になっております。前作でも見せていたROCKとHIPHOPを融合したMIXTURE的なサウンドを基盤としながら、PUNKやBRIT POPなどUK ROCKのエッセンスがさらに色濃く反映されていて、彼が「アイドル」として目指している音楽性の幅広さに感心すると同時に、K-POPというジャンルにおける土壌のふくよかさと多様な可能性にあらためて感動しました。この曲が収録されているアルバムも、音楽的なチャレンジを感じる一方でデモ音源のような素朴な風合いもあり、ミックステープ感のあるザラッとした手触りがとてもファニーで人間味あふれる1枚となっていて、大変オススメです。機会があれば歌詞を読み解きながら楽しんでみてください。

■NOA『TAXI fear. tofubeats』

 K-POP……ではないんですが、元YG練習生のNOAくんとtofubeatsがタッグを組んで挑んだデジタル世代のネオソウル。2人ともガッツリ歌っているのに3分以内にカチッと終わるコンパクトな構成に時代を感じて、聞いた瞬間仰け反りました。情景と孤独を鮮やかに切り取る手腕と軽妙洒脱な雰囲気はまるで短歌のように軽やかでミニマルなリズム感があり、流れるような聞き心地と余韻のキレが最高に素晴らしいです。K-POPとJ-POPのハイブリッド的サウンドと言われると確かにその雰囲気もあるんですが、最低限の和音と情緒が香る転調の配置には和製R&BやTECHNOにも繋がってゆく「ルーツ」の確かな煌めきを感じられたりもして、自分にとってはこれが「J-POP」なのかなあと思ったりもします。MVもめちゃくちゃ素敵ですね。

DJ DJ機器がセレクト!

■Dreamcatcher 『Scream』

 どうしてもK-POP好きからはイロモノとして見えてしまうDreamcatcherですが、この「Scream」はフェスティバルロック+メタル要素という今までのようなアプローチに対して、もう少しEDMのようなクラブ要素の割合を増やした楽曲でとてもよかったです。楽曲ジャンル的には違いますが、迫力としては女性版ドゥンバキのようなものだと思って聞くといいのではないかと思います。この楽曲が収録されたファーストアルバム『Dystopia : The Tree of Language』は、世界観の作り込みと楽曲のバランスがものすごく良かったです。「Jazz Bar」や「Red Sun」、「Black Or White」などの収録曲も必聴です。

■GXXD (Girlnexxtdoor)  『춤사위 (Feat. MOON, Blase)』

 Sik-KやRAVI、HAONなどにトラックを提供してきたGXXDのEPに、急にBasslineジャンルの曲が収録されていて驚きました。韓国のトラックメイカーは本当に器用ですね……。GXXDとMOONは何回もコラボしていますが、MOONに関しては20年にはZion.TやSEHUN & CHANYEOL、Vince、Coogieなど、かなりいろいろなアーティストとコラボしており注目度がさらに上がったように感じます。Blaseの歌詞に Dave – Funky Friday (ft. Fredo) がサンプリングされているところもいいですね。

e_e_li_c_aがセレクト!

■P1Harmony(피원하모니) – Nemonade(네모네이드) 

 FNC Entertainment所属、6人組グループのP1Harmony(ピーワンハーモニー)のデビューEP収録曲です。20年10月28日にデビューし、Sirenというタイトル曲で活動したあと、後続曲として「Nemonade」で活動しました。韓国、カナダ、日本国籍のメンバーがいる多国籍グループで、平均年齢はなんと満年齢で17.3歳です。15歳のメンバーが2人いることを知った時は本当に驚きました。年齢を加味しなくてもデビュー直後のグループとは思えないほど、ボーカル・ラップ・ダンスのスキルが高く、特に最年少ジョンソプ(動画内の赤髪のメンバー)のラップは本当にすごいです。個人的にタイトル曲があまりピンと来なかったためリアルタイムでは活動を追っていなかったのですが、早いうちに彼らに気付けて良かったです。今後の活動に今一番期待しているグループです。

■Silica Gel (실리카겔) 『Kyo181』

 シリカゲルは15年にデビューした4人組のバンドで、デビュー時に韓国大衆音楽賞「今年の新人賞」を始めとする新人賞3冠を受賞しました。2017年12月のアルバムリリース、その後の東京公演をあとにメンバーの兵役のため活動休止期間に入り、2年半がたってのシングルがこの「kyo181」です。本人たちも「空白期間の間に新しい方向を眺めるようになり、そのような意味でkyo181はシリカゲルの新しいデビュー曲とすることができる」と語っており、確かに今までの楽曲に比べてエレクトロニクス色の強い楽曲になっています。4分20秒の間、全てのフレーズの頭に「kyoヤ」という単語がついた状態で曲が展開され、その繰り返しとメロディラインがとても耳に残りやすく、何度も聞いた楽曲です。

※e_e_li_c_aとDJ DJ機器が出演するK-Popイベント『NEXT BOWL 2021presented by TodakTodak』が東京・豊洲PITにて開催決定!
【配信日時】 2021年1月10日(日)17:00~21:00 ※追いかけ再生やアーカイブ配信はありません
【出演】 tofubeats, e_e_li_c_a, DJ DJ 機器, hoverboard, 310
【配信チャンネル】 PIA LIVE STREAM
【チケット料金】
・視聴券:¥2,000(税込)

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