『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』女たちの献身を当然として受け取る”息子“「母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~」

2020/12/21 17:52
石徹白未亜(ライター)

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。12月20日は「母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~」というテーマで放送された。

『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)公式サイトより

あらすじ

 六本木でキャバクラのボーイをしているゆうせい、26歳。店の掃除は適当、ボーイなのに席に座って客と一緒に酒を飲むなど、好き放題にやっている。だが怒られてもへこたれず、座を盛り上げるなど愛嬌もある。

 ゆうせいはもともと真面目な野球少年で、区の大会で優勝しプロ野球選手を目指していたという。しかし、進学した甲子園常連の強豪校で、野球エリートに囲まれ挫折。その後、大手企業に就職するも3日で辞めてしまい、その後は女性の家を転々とするような日々を続ける。女性とのデートでも、先々で支払いは相手持ちだ。

 しかし、ゆうせいにもっとも「課金」しているのはゆうせいの母親だ。役所で堅い仕事をしてきた母親は、ゆうせいの暮らしぶりに業を煮やし、実家のカギを渡していないのだが、一方で、ゆうせいが家に入れるように窓のカギを一つ開けたままにしている。さらにゆうせいの小遣いになればと、家のわかりやすい場所に小銭を貯めておいている。

 そのうえ、家族カードだというクレジットカードを、ゆうせいに持たせてしまう。ゆうせいはそれをいいことに、10万円以上するスーツや3万円以上するスニーカーや旅行などに好き勝手カードを使いまくる。そして、その尻拭いは母親が自身の給料とボーナスで支払っているのだ。

 番組終盤で、母親はようやくゆうせいに渡していたクレジットカードを解約。ゆうせいは実家を訪ね2万円だけ返し、母親に手料理を振る舞う。しかし、その後もその日暮らしを続けるゆうせいに、母親から手紙と実家のカギが届く。「本当に困ることがあれば助けます。本当に困ることのないように考えて歩んでいってほしいと思います」と書かれた手紙に、能天気なゆうせいが珍しく涙する。

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