高橋ユキ【悪女の履歴書】

女詐欺師が語った「男性に愛されるための研究」と「男に可愛がられた私」の記憶【熊本:つなぎ融資の女王】

2020/12/20 18:00
高橋ユキ(傍聴人・フリーライター)

「結婚の約束をしました。出所したらラオスで暮らします」

「Aさんは私に愛情を持っていたんだと思います。でも、私の好みはB。一刻も早く会いたくて仕方がない。そんなことだから、クリスマスの日にAさんと大ゲンカしてしまうんです。お互いに感情的になって……私はAさんの用意してくれたケーキを彼の顔に押し付けて逃げ出したんです。グニグニ〜〜って」

 節子がその間に受け取った額は4500万円にものぼるという。その後、のちに身柄を確保されることになるタイに逃亡。レストランで31歳のプロボクサーの男性に声をかけられたことがきっかけで交際を始めていた。金をだまし取った被害者らに「申し訳ないことをしました」と語りながらも、面会ではBへの未来を夢見ていた。

「私はこの人と結婚の約束をしました。何年先になるかわからないけど、出所したらラオスで暮らします。彼を呼んで一緒に暮らすつもりです」

 研究し尽くした愛嬌を武器に、男に愛され続けてきた節子。息子や娘が面会に来ることは一度もなかったという。

【参考文献】
「新潮45」2017.6
「週刊新潮」2017.5.4・11.20、18.04.26
「週刊ポスト」2018.4.6
「SPA!」2017.4.25
「女性セブン」2017.4.272018.4.19
「FRIDAY」2017.4.262017.5.5

■女が罪に飲み込まれた闇をあぶり出す連載【悪女の履歴書】バックナンバーはこちら

 

高橋ユキ(傍聴人・フリーライター)

高橋ユキ(傍聴人・フリーライター)

傍聴人・フリーライター。2005年に傍聴仲間と「霞っ子クラブ」を結成(現在は解散)。著作に『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)など。好きな食べ物は氷。

記事一覧

Twitter:@tk84yuki

最終更新:2024/01/16 14:36
エリカ38
節子、全然めげてない!!
アクセスランキング