“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験本番の2月1日、2校連続で“不合格”! 「楽勝」とヘラヘラしていた息子の涙……母は“合否”を超えて!!

2020/12/13 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

息子が不合格なのは、ある意味当然だった

「私はショックはショックだったんですが、ある意味、当然だなって……って思いました。だって、全員が長い間、必死に頑張って、今までの頑張りを解答用紙にぶつけるわけじゃないですか? 絶対、思いが強い子のほうに勝利の女神は微笑むんですよ。壮樹からはどう見ても、必死さが伝わってこなかったんです」

 2月1日の夜、壮樹君は2校同時に不合格という事実を突きつけられ、しばらくパソコンの前から動けなくなってしまったそうだ。恵理子さんは呆然としている壮樹君に、お風呂へ入るように促したという。

「お風呂から、壮樹の号泣している声が聞こえてきて、そっか、壮樹だって悔しくないわけないよね……と思いました。ポーカーフェイスですが、壮樹は壮樹なりに頑張っていたことは確かでしたから、泣き声を聞いているのは、正直、つらかったです」

 その後、1時間くらいたった後だったそうだが、壮樹君は恵理子さんにこんな宣言をしたという。

「母さん、ごめんな。俺、本番、舐めてたわ。こんなに毎日ずっと応援してくれてたのに、ごめん。でも俺、絶対に最後まで頑張るから!」

 「目の色が変わったなって思いました。スイッチが入ったっていうか……」と恵理子さんは振り返った。

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