「元極妻」芳子姐さんのつぶやき92

先代組長は路上で“ハチの巣”射殺! 分裂と移籍を繰り返す「山口組」を元極妻が分析

2020/11/08 16:00
待田芳子(作家)

先代組長は路上でハチの巣射殺! 分裂と移籍を繰り返す「山口組」を元極妻が分析の画像1今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

尼崎で白昼に銃撃事件発生

 11月3日の尼崎の銃撃事件の実行犯の1人が、5日に出頭しましたね。六代目山口組を率いる司忍組長が設立した「司興業」の幹部でした。報道などによりますと、事件は3日のお昼前、尼崎市内のコンビニ駐車場近くで起こりました。撃たれたのは神戸山口組若頭補佐で三代目古川組の仲村石松組長と舎弟頭で、命に別状はなく、「面識のない2人組に撃たれた」と話していたそうです。またもや路上の発砲事件で、元ですが極妻としてはカタギさんへの迷惑を考えるとツラくなりますね。

 ややこしいのですが、現在、「古川組」は神戸山口組系と絆會系で2つあります。元は同じで、2019年11月に射殺された三代目古川組の古川恵一総裁(当時59)が率いていた組織でした。いろいろあって17年5月に若頭と全若い衆(!)が任俠団体山口組(現・絆會)に移籍して、別組織としての「二代目古川組」を設立しています。

先代は路上でハチの巣に……

 ちなみに絆會は、神戸山口組の体制を批判して離脱した関係者が17年4月に立ち上げた組織で、今回銃撃された仲村組長は、二代目・古川恵一組長の後継者として17年7月に三代目を襲名、古川組長は総裁職に就いています。

 この古川総裁を射殺したのは、六代目山口組傘下の二代目竹中組の「元組員」と報じられましたが、トップに責任を及ばせないための「偽装破門」の説も根強いです。この事件も尼崎市内の路上で、マフィア映画みたいな「自動小銃でハチの巣状態の射殺」でしたから、世論的には非常に厳しい感じで見られていましたね。

 この時は、1時間後くらいに実行犯は逮捕されているのですが、仲村組長の事件は実行犯逮捕までに2日かかっているので、いろいろな臆測が出ていました。たとえば、日刊ゲンダイ(11月5日午前6時配信)は、「今回の実行犯は、絆會から野内組傘下組織に移った連中やとみとる。古川総裁はじめ、『六代目に牙を剥いたらとことんまでやるで』いうメッセージと、絆會の連中同様、戻ってきたかったら、おとがめなしという意味が込められているんちゃうかな」と「捜査事情通」氏の分析を紹介しています。

 この野内組も弘道会(司組長の出身母体)傘下で、この8月に絆會系の古川組関係者が何人も野内組傘下組織に移籍しているそうですから、こういう見方も十分アリでしたね。

 いずれにしろ六代目山口組は、今後も離脱者の切り崩し工作と報復を強め、分裂した山口組の再統一を図るとみられていますから、まだ銃撃はありそうです。警察とマスコミが喜ぶだけなんですが、名門のメンツとして、それはしょうがないのでしょうね。

絆會から六代目山口組への移籍が続出

 ちなみに現在の絆會は、六代目山口組に移籍する関係者が後を絶たないようです。9月28日には、長野県内で移籍をめぐって銃撃事件も起きていますね。

 なんと絆會傘下の竹内組の先代と当代がもめて、先代が車の中で当代を撃っています。「親子の内紛」はさすがに珍しいのですが、そこまでヤクザ社会が切羽詰まっているということでしょう。要するに「ヤクザとして生きていくためには六代目山口組に移りたい」という当代を先代が「命がけで六代目山口組から離脱して、神戸山口組に参画、さらに絆會を結成して一緒にがんばってきたのに、そりゃないだろ!」ということのようです。

 当代の命には別状はないそうですが、この原稿を書いている11月6日現在も、先代は指名手配中です。

待田芳子(作家)

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2020/11/08 16:00
くれぐれも一般人に被害がないことを祈るばかり
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