高橋ユキ【悪女の履歴書】

【宮城・婚活サイト殺人事件:後編】「胸も大きかったんで、好みだった」女との結婚を夢見て……罪に飲み込まれた男たち

2020/11/13 19:30
高橋ユキ(たかはし・ゆき)

「光俊は婚約者ではない。援助してくれる男性です」奈苗に振り回された男たち

 だが、一方の奈苗は、光俊への愛情など最初からなかったかのような供述に終始した。まず事件は“光俊が勝手にやったことであり、共謀などしていない”と、消え入りそうな声で一部否認し、光俊に罪をなすりつけた。被告人質問になると、それまでとは比べ物にならない大きな声で、こう言い放った。

「私は結婚できないと伝えてました。婚約者でもありません。私にとっては援助してくれる男性。光俊さんもそれでいい、と言っていました。私にとっては、援助してくれる男性です」

 これを目の前で聞く光俊は、大きな背中を丸め、ただうなだれるばかりだった。一途な愛を利用し、借金返済を免れようと、黒木さんを殺害させた奈苗には、光俊と同じく無期懲役の判決が言い渡された。ふたりは控訴、上告していたが、15年9月、最高裁で確定している。

真実を語らなかった被害者

 一途な愛で振り回されたのは光俊だけではないだろう。蔵王町のホテルで、視力を失うほどの大けがを負わされた黒木さんは、当時の警察の取り調べに真実を語ることはなかった。

「奈苗さん、光俊さんとホテルにチェックインし、別室の光俊さんが部屋に来て一緒に飲んでいた。体が熱くなり、ももひきになった。その後、風呂に行くため全裸になり、ソファの上で服を蹴飛ばしたりしていると、床に転げ落ちた。テーブルか椅子の角に顔面と頭を強く打ち付け、そこから意識がない。光俊さんと言い争いはしていない」(当時の黒木さんの調書)

 奈苗に渡していた1000万の返済を促すため、彼らに貸しを作ろうとしていたのか。それとも、やはり彼も、奈苗に理屈を超えた愛情を持っていたのか。誰も知ることはできない。

<参考文献>
・「女性セブン」(小学館) 2013年3月14日号
・「週刊新潮」(新潮社) 2013年3月7日号

 

 

高橋ユキ(たかはし・ゆき)

高橋ユキ(たかはし・ゆき)

傍聴人・フリーライター。2005年に傍聴仲間と「霞っ子クラブ」を結成(現在は解散)。著作に『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)など。好きな食べ物は氷。

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Twitter:@tk84yuki

最終更新:2020/11/13 20:30
木嶋佳苗劇場/神林広恵
高額な金を「援助」という女は要注意

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