何事もやりすぎはダメ

『24時間テレビ』『ビリギャル』『リチャード・ジュエル』……実話をモチーフにして批判を集めた作品

2020/10/05 12:20
サイゾーウーマン編集部
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』公式サイトより

 TBS系の「日曜劇場」枠で放送され、最終回に32.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という驚異の視聴率を叩き出した人気ドラマ『半沢直樹』。同作は9月27日に最終回を迎えているが、その1週間前、ネット上である記事が話題を呼んでいた。

「9月20日、ニュースサイト『ENCOUNT』が『「半沢直樹」元JAL社員はどう見た!? 「半沢のセリフに涙が出そうになった」』と題した記事を公開。同記事は、同作の主人公・半沢直樹が経営再建を担当することになった航空会社・帝国航空について、2010年に会社更生法の適用を申請、経営再建を行った日本航空(JAL)と重なる点が多いと指摘した上で、JALの元社員にコメントを取っています。それによれば、ドラマの中で半沢が言った『現場の社員たちは、戦後の空を守ってきた誇りを持って働いている』というセリフに『涙が出そうになりました』とのこと。“本職”の共感をも呼ぶような作り込みが、驚異的な人気を博した理由の一つかもしれません」(芸能ライター)

 実話をモチーフとした映像作品は多く存在しているが、中には物議を醸してしまったものも少なくない。14年8月に『24時間テレビ37 愛は地球を救う』(日本テレビ系)でドラマスペシャルとして放送された『はなちゃんのみそ汁』は、批判の声が続出した作品だ。

「同作は、乳がんを患い08年に死去した女性が、娘や夫との日々をつづっていたブログを書籍化した同名作品をドラマ化したもの。主人公の女性役を尾野真千子、娘役を芦田愛菜が演じましたが、主人公の女性が抗がん剤などの標準医療を放棄し、食事療法などの代替治療を受けるというシーンがあり、物議を醸したんです。ネット上では、こうした描写について『代替療法を推奨するような内容は危険だと思う』『これを美談として取り上げるのは神経を疑う』という声が続出しました」(同)

 『はなちゃんのみそ汁』は原作(文春文庫)の段階で同様の指摘がされていたというが、ドラマ化したことによって、より多くの批判が寄せられることに。同作のように、原作の問題を抱えて実写化してしまった例はほかにもある。

「15年公開の映画『ビリギャル』は、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(アスキー・メディアワークス)が原作。偏差値30で学年ビリの成績だった女子高生が、タイトル通り1年間猛勉強して慶應義塾大学に合格したという内容なのですが、この“ビリギャル”が在学していたのは偏差値60以上の中高一貫校だったことが判明しており、『“もともと勉強ができる子”だったのでは?』といった声が続出。書籍の段階で『内容が誇張されすぎている』という批判を受けていたものの、そのまま映画化されてしまい、同様の批判を浴びて炎上する事態となっていました」(同)

 世界的人気を誇るクリント・イーストウッド監督の作品では、実在する人物を「侮辱的」に描いたとして物議を醸していた。

「今年1月に日本公開された映画『リチャード・ジュエル』です。本作は、1996年に起こった爆弾テロ事件をもとにした作品で、米・アトランタの地元紙に勤務する女性新聞記者が、ネタを掴むためにFBIの捜査官と性的な関係を持つというエピソードがあるんです。しかし、この女性新聞記者は故人ではあるものの実在の人物で、映画で描かれていたような事実はなかったことが、元同僚によって証言されています。こうした事実が明るみになると、日本でも『ステレオタイプな女性の描写は、完全に故人を侮辱している』『“女性の新聞記者はネタのために誰とでも寝る”とでも言いたいの?』などと、批判が相次いでいました」(同)

 実話をもとした映像作品では、誇張や捏造は見抜かれやすいといえる。実在する関係者が傷つくことのないよう、映像化は慎重に進めるべきではないだろうか。

サイゾーウーマン編集部

サイゾーウーマン編集部

芸能・ジャニーズ・美容・暮らし・カルチャーなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter:@CyzowomanC

Instagram:@cyzowoman

オンナを刺激するニュースブログ[サイゾーウーマン]

最終更新:2020/10/05 12:25
キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語
ビリギャル、どんどん胡散臭くなってて好き
アクセスランキング