本気でいたたまれない空気だった

『ロンドンハーツ』芸人ドッキリに業界から苦言も……パンサー企画に「最低限の信頼関係を逸脱」の声

2020/09/10 11:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 それは5月のことだった。ロンドンブーツ1号2号がMCを務める『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)でお笑いトリオ・パンサーの「4人目加入ドッキリ」が行われたのだ。内容を知らない方のために、簡潔におさらいしよう。

 近頃、後輩とYouTubeを始めたり、ピンでの仕事で相方の名前を出さない様子の尾形貴弘に、「トリオ愛が薄れたのでは?」と不信感を抱いた菅良太郎・向井慧。この2人が仕掛け人として参加し、イケメン黒人ハーフモデル・モッくんが新メンバーとして加わることになったら、尾形はどんなリアクションを見せるのか? パンサー愛を確かめるという企画だった。

「当初、菅と向井から新メンバー加入の話を聞いた際、尾形はこれを激しく拒否。それはメンバー間の関係が壊れるというよりも、ギャラの取り分が少なくなるからという、極めて現実的なものでした。しかし実際に4人組の『コヨーテ』としてネタ作りを始めると、尾形はモッくんにどハマリ。相性の良さを実感したのか、『友達』とまで言い出したのです。これは『ロンハー』側も予想外だったようで、本来なら2週間後にドッキリであることを告げて終了する予定だったものの、急きょ4日後にネタばらし。心を許したモッくんが、メンバーではなくなることに尾形は絶叫。ネットでは『可哀想』『本当に胸が痛む』という声まで上がっていました」(芸能ライター)

 さらに非情だったのは、本来の予定では、尾形を抜いた3人が新生パンサーとしてスタートするというオチを用意していたことだ。さすがに、尾形がショックを受けるかもしれないと考えて予定を変更したようだが、さらに物語は続く。『ロンハー』は3カ月後、この「コヨーテ」を復活させる流れを作ったのだ。

「先月8月25日、そして9月1日オンエア分で、『一夜限りの再結成』をするという触れ込みで、尾形を再びドッキリにかけました。前回は、パンサーとしての絆を確かめるという動機があったため、向井と菅も、番組から依頼された“仕掛け人”としてノッていましたが、今回の再結成ドッキリは“いい迷惑”といった感じ。再結成ドッキリを行う中で、尾形は再びモッくんへの思いが高まっていき、一緒に『コヨーテ』としてやりたいと案の定、暴走。モッくんは一夜限りだと説得する向井と管ふたりとの間に、亀裂が入ることとなりました」

 別室で様子を見ていたMCの田村淳も、ピリピリとした3人の様子に慌てたのか、真面目な調子で、向井と菅にイヤモニで指示。ドッキリ終了後、「マジ解散しそうになりました」とぼやく向井に、淳は「すみませんでした」と謝罪していた。

「最近の『ロンハー』は、芸人との間に築いた最低限の信頼関係を逸脱している印象があります。田村と制作陣・作家が、どんな話し合いをしてこのドッキリを動かしたのかわかりませんが、企画として立ち上げて実行しまうあたり、芸人をおもちゃにしても構わないという考えがあるのでは。結局は、自分が楽しければそれでいいのが、田村淳という人間の性質かもしれません」(テレビ業界関係者)

 同番組は、これまでドッキリによって狩野英孝や青木さやか、出川哲朗などを大ブレークに導いているが、当時とは視聴者のドッキリの受け止め方や世情も変わっているだろう。

「パンサーだけでなく、今年に入ってからは、芸人を困惑させるだけのドッキリが多すぎるように思えます。例えば、7月14日オンエアでは、コンビ・ぺこぱのシュウペイに、本棚の本が倒れ、床からクリーム砲が噴射されるというドッキリを仕掛けました。このVTRには、『いじめっぽい。ぺこぱが気の毒』『シュウペイが泣きそうになってて、かわいそう』といった声が上がることに。もちろん、今が売り時としてドッキリ仕事を引き受けてしまう事務所のマネジメント姿勢も甚だ疑問ですが」(同)

 尾形は本気半分、冗談半分で「『ロンハー』が嫌い」と明言しているが、くれぐれも全ての芸人から本気のNGを出されないよう、慎重に企画選びをするべきときが訪れているのだろう。
(後藤壮亮)

最終更新:2020/09/10 14:15
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