[女性誌速攻レビュー]「ar」9月号

「ar」安斉かれん、ナチュラル系にイメチェン企画も……ド金髪で“ボスギャル”ぶりを見せつける!!

2020/09/05 16:00
島本有紀子(ライター)
「ar」2020年9月号(主婦と生活社)

 「ar」(主婦と生活社)9月号の特集は、「私よ、こっそり可愛くなーれ(ハート)」。以前から、自分を大切にすることを説いてきた同誌によれば、“こっそり可愛くなる”とは、「『出し抜く』とか『秘密にして』という意味ではなく 人のことなんて気にしないで、誰かと比べたりなんかしないで 自分に集中するってこと」なんだそうです。それができたら誰も苦労しないよ……と思ってしまう、一見簡単そうで、ものすごく難しい提案。「ar」はどのように、その難題に挑んでいるのか!? 今月号の中身、さっそく見て行きましょう。

<トピックス>
◎ヘアメイク吉﨑沙世子的・マインドアゲ↑メイク
◎自分をもっと好きになりたい50Tips
◎ボスギャル、おナチュに覚醒 素肌のかれん

アゲ↑メイクは「つや~」「ぬり~」

 まずは、ヘアメイク企画「ヘアメイク吉﨑沙世子的・マインドアゲ↑メイク」。これも今月号のテーマ“自分に集中”に沿った内容で、ヘアメイクの“よっしー”こと吉﨑沙世子氏が、「ジブンをステキにするのは結局はジブンだから(ハート)」と語り、「自分のキモチをちゃんと自分で上げ」ていくメイクを紹介しています。

  このところ気になっているのが、「ar」に登場するヘアメイクの方々の言葉がみんな、「おフェロ」メイク創始者で人気ヘアメイク・イガリシノブ氏に似てきていること。ハイテンションかつキャッチ―な造語や独特の擬音語を使ったメイク解説で、読者の乙女心を掴んできたイガリ氏。今年7月に『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)にも出演し、自身の手掛ける化粧品ブランドも好調の様子のイガリ氏は、やはりヘアメイク業界の皆が目指す地点なのでしょうか。

 よっしー氏も、「召しませ(ハート)ヴァージンな いちごミルクふぇいす」、「ヘルシーで夏っぽくて。ミーハー上等、シトラスネアカ顔☆」、「オンナと赤のくされ縁。ほてりレッドの2点盛り」等、イガリ感あふれるネーミングセンスのメイクを紹介。解説で使われる擬音語も「ムンムンムンッ」「じゅわじゅわ」「つや~」「ぬり~」など、イガリ氏より若干パンチは弱いものの、その系統を受け継いでいるようです。

 イガリテイストを「ar」側から求めているのか、それともよっしー氏自身が目指しているのか、どちらかはわかりません。しかし、「自分に集中」して「自分のマインドをアゲる」ことを求めていくと結局、無意識のうちに“偉大な誰か”や“はやりモノ”の真似になる――。その矛盾を見せてくれる誌面に人間らしさを感じ、しみじみとした気持ちになりました。

ar (アール) 2020年 09月号 [雑誌]
令和にもギャルが生きてたぞ!!
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