上原医師が回答!

マスクに皮脂・汗で毛穴パカーン! 夏に溜まった「角栓・皮脂」対策方法を皮膚科医・上原恵理が解説

2020/09/19 14:00
上原恵理(美容皮膚科医)
はまこJAPANさんによる写真ACからの写真

 今年の夏はマスクの装着に加え、命を脅かすレベルの猛暑が続いた。ただでさえ、ベタつきやすい夏の肌にマスクが長時間接触するせいか、ネット上では「いつもより毛穴が目立つようになった。マスクのせい?」「毎日マスクをしてたから、小鼻の角栓が手強い気がする」といった、毛穴や角栓に悩まされている声が聞こえてくる。

 そこで、美容皮膚科医の上原恵理先生に、マスクが及ぼす角栓への影響と、医師から見た角栓対策方法を聞いてみた。

――今年の夏は例年より角栓がごわつく、毛穴が目立つという声がありますが、マスクと関係はありますか?

上原恵理医師(以下、上原) まず前提として、顔の肌は刺激を受けると、脂の膜で顔を守ろうとして自然と皮脂を分泌してしまうんですね。皮脂分泌が多くなれば、一定の方は毛穴の中に固まってしまい、角栓になってしまったり、ニキビが悪化してしまう。オイリー肌でなくても、マスクの装着が刺激となって、肌を守ろうとする機構が働いてしまい、通常より皮脂分泌が促されるんです。マスクがある程度の皮脂は吸い取りますが、そのまま毛穴に固まると、角栓になってしまうと考えられます。毛穴についても、角栓や脂が詰まってると開いて見えるので、マスクの影響は少なからずあると思います。

――マスクの接触が刺激になってるんですね。でも、しないわけにはいきませんし……。

上原 今の時代、マスクをしない生活は無理ですよね。肌に優しいガーゼのマスクなど、いろいろなメーカーから布マスクが出ていますが、医師としての立場で言うと、機能的には信頼できない。マスクの性能とはフィルター部分での微小粒子(PM2.5)、ウイルス、菌、花粉の遮断性能を指します。

 一般的に不織布のマスクには性能評価としてそれぞれPFE、VFE、BFE、花粉遮断率99%以上などの表示がされていますが、それに対して、布マスクは一般的にそうした表記がないものが多い。その理由としては、大半の布マスクは、ウイルスや細菌を透過させてしまう繊維密度のため、バリア性能を謳えない商品が多いためです。

 コロナウイルスの感染防止のためにマスクを着用している方が多い現時点では、マスクの機能を無視することはできません。おしゃれで肌に優しくても感染防止機能が不足していたら意味がないですよね。これから先、機能的にも優れたマスクが登場するとは思いますが、今この瞬間、感染予防の役割を果たすと医学的に担保されてるのは、不織布マスクだけです。ただ、肌への刺激を少しでも防ぐなら、シルクでできたシートがあります。マスクのインナーに使うものですね。しかし、今度は通気性が悪くなってしまいます。

――そうなると、スキンケアでの対策になりますか?

上原 そうですね。角栓ケアに必死になる方は、洗顔で落とそうとゴシゴシしたり、毛穴パックを使いがちなんですが、それよりは、皮膚が脂を作ろうとする働きを抑制することが大切です。そのためには、まずは水分系の保湿。肌に水分があると、刺激を受けても「守られてる」と感じるから、皮脂を出す働きが抑えられます。

 それ以外では、皮脂の分泌を抑制するような成分として、ビタミンCとかビタミンA。 ビタミンCのほうがみなさんよく聞くと思いますし、美容に詳しくない方でも、ドラッグストアのアイテムで手に入れられます。そうした製品を塗り薬の感覚で使うことにより、皮脂が出にくくなり、角栓も詰まりにくくなる。スキンケアの延長線上にある対策なので、とっかかりやすいですね。

 あとは、美容クリニックでの施術もあります。レーザー機器や、飲むお薬があるので、かなり皮脂分泌は抑えられると思いますよ。

――保湿が大事となると、日中にエアコンで乾燥を感じたときも化粧水をスプレーなどしたほうがいいんですか?

上原 そんなのは意味がありませんよ! 昼間に乾燥を感じるというのは、スキンケアがそもそも間違ってるんです。スプレーで化粧水をつけても、それが蒸発するとき、さらに水分が肌から奪われていくだけ。考えてみてください。スキンケアの最後には、クリームなどの油で肌に蓋をしますよね。その上に水をかけたところで、入っていきますか? 日中の化粧水スプレーは自己満です。

 水分系の保湿に必要なのは水だけではなく、それを肌にとどめてくれる作用のある、肌に水を抱え込むセラミドや、NNF(天然保湿因子)、ペプチドです。これで保湿したあとに油で蓋をしてあげる。それを朝やれば、大丈夫なはずです。それでも角栓がひどいのであれば、そもそものスキンケアを見直しましょう。

――自分のスキンケアのクセが、皮脂分泌をひどくしていることもあるんですか?

上原 すごくあります。顔を洗うときに、前髪を上で留めずに横に流しているとか、その人なりのクセ。それで洗顔の泡が残ったり、ちゃんと洗えていなかったりしますよね。ただ、クセは自分では気づけないものですよね。私に診せていただければ、画像解析ソフトの画像をもとにスキンケアのクセと問題点を言い当てられますよ(笑)。とにかく、角栓はゴシゴシ洗顔したり毛穴パックでどうにかしようとせず、水分系の保湿を試してみてくださいね。

上原恵理(美容皮膚科医)

上原恵理(美容皮膚科医)

形成外科認定専門医・美容外科医・美容皮膚科医。美容整形をはじめ、美容法に切り込んだSNSが話題で、フォロワー数は約15万人を誇る。著書に『さわらない美容』(KADOKAWA刊)、 YouTube「えりりんちゃんねる」でも情報を発信中。

Twitter:@dr_uehara

Instagram:@aesthetic_surgeon_dr.uehara

YouTube:えりりんちゃんねる【医師 上原恵理】

最終更新:2020/09/19 14:00
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