性犯罪とDV「再犯」を防ぐには【2回】

「女性は痴漢で気持ち良くなる」と信じていた――性犯罪加害者の言葉から、“治療”の在り方を問う

2020/09/11 21:30
三浦ゆえ
「女性は痴漢で気持ち良くなる」と信じていた――性犯罪加害者の言葉から、治療の在り方を問うの画像1
Getty Imagesより

 性犯罪は、“再犯率”が高いことが明らかになっている。なかでも痴漢の再犯率は突出しており、刑務所で“罰”を受けるだけでは、再犯は防げない。これは、各種データからも、約30年にわたって痴漢行為を続けてきた50代男性・Oさんの体験からも明白だ。

 第2回は、2度目の服役から出所して10年間、再犯をしていないというOさんに、なぜ痴漢行為をやめられたのかを聞く。再犯防止のためにどのような行動をとったのか、刑務所内で受刑者に実施されている「性犯罪再犯防止指導(通称:R3)」の問題点についても語ってもらった。

■第1回:30年間、電車で痴漢を繰り返してきた――性犯罪“加害者”が語る「逮捕されてもやめられない」理由

治療機関で“痴漢”を隠し続け、そして再犯……

 刑務所内の再犯防止対策だけでは不十分だという、専門家の声も耳にする。その最大のポイントは、刑務所内に女性や子どもなど、彼らの“対象”となる人物がいない中で指導を行うからだ。Oさんも受刑中のことを振り返って、「女性がいないから、痴漢をしたいという思いにとらわれずに済むので、楽だった」と話している。しかし、出所して社会の中で生きていると、そうはいかない。

 Oさんは41歳のとき痴漢で起訴され、執行猶予判決が出た。このとき、担当の弁護士から、病院を受診するように言われたという。

「まず精神科へ行ったのですが、痴漢をやめられないという問題は、性嗜好障害やアディクション(依存症)の側面があるということで、別のクリニックを紹介され、そこに通い始めました」

 性暴力加害者は「病気」を抱えているととらえ、専門的な治療を行うことによって再犯防止を目指す治療機関が、国内に数は少ないながら存在する。Oさんは、そのひとつとつながることができた。

「でもそのときは、『弁護士に言われたから行く』ぐらいの気持ちでした。デイナイトケアという、毎日朝から夜までつづくプログラムを受けたのですが、そこではほかの精神疾患を持つ人たちとのミーティングがあるんです。自分の問題をみんなの前で開示して、そのリアクションから、自身の考えを見直すというプログラムなんですが、私はそこで、自分が痴漢の問題で通っているということを、なかなか話せず隠していたんです。もちろん、それではまったくと言っていいほど参加する意味がない。そんなある日、主治医が『あなたはちゃんと“痴漢の問題”を話しなさい』と、みんなの前で言ってしまったのです」

 動揺したOさんは、クリニック内で問題行動を起こすようになり、しまいには主治医から治療の中断を言い渡される。通院していた3カ月間はピタリと止まっていた痴漢行為が、治療をやめた途端、気づけば再開していた。執行猶予期間中にもかかわらず、Oさんは頻繁に痴漢行為をくり返し、またも逮捕。そしてついに、初めての実刑判決(5カ月)が下る。

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