オンナ万引きGメン日誌

万引きGメンを追尾する「変な男」の正体! スーパー側が「冗談じゃないよ!」と激怒した珍事件の真相

2020/08/22 16:00
澄江(保安員)

刑事でもないのに、万引き犯に声をかけた男の正体

(まさか声をかけるのかしら?)

 幸いにも私の存在には気付いていない様子なので、そのまま追尾して状況を見守っていると、店の外に出た中年女性が立花さんに声をかけられました。会話の内容まではわかりませんが、隠したお弁当を出しているので、そのことについての話であることは間違いなさそうです。

(あの人、刑事さんなのかな? これから、どうするのかしら?)

 近頃は、盗撮などの犯行を現認して、被疑者から金銭を脅し取る「盗撮ハンター」による事件なども発生しているため、事態の推移を慎重に見極めます。2人の行き先を確認すると、堂々と事務所に入っていくので、そこで声をかけました。

「警備の者ですが、入店手続きは、お済みですか?」
「いえ、いま万引きした人を捕まえたので連れてきました。店長さんは、いらっしゃいますか?」
「あなたは?」
「これを、専門でやっている者です」

 少し待ってもらうよう伝えて、マネージャーさんを呼び出して、事態の詳細を説明します。すると、首を傾げたマネージャーさんが、立花さんに言いました。

「たまたまっていう感じじゃないですけど、警察の方ですか?」
「いえ、実はいま、フリーでこの仕事をしていまして、お仕事をいただけないかと……」
「はあ? 営業のデモンストレーションってこと?」
「まあ、そんな感じです」

 勝ち誇ったように胸を張る立花さんに、呆れ顔のマネージャーが怒気を強めて言いました。

「こちらの許可もなく、こんなことを勝手にやられたら困るんだよ。なにかあったら、どう責任取るんだ?」
「え? そんな言い方ないじゃないですか。お礼もなしで……」 
「余計なことされたうえに、お礼しろなんて、冗談じゃないよ。仕事を頼むこともないし、迷惑だから二度と来ないでもらえるかな」
「ああ、そうですか。わかりましたよ」

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