「高校野球」ブラバン×チア対談

甲子園は「感動ポルノ」? “頑張る高校生”として消費された、ブラバン&チア部が「中止でよかった」と本音対談

2020/08/23 18:00
サイゾーウーマン編集部

応援したのに「うるさい」「やめて」と言われるブラバン

――野球応援をしている時に「大変だな」と思うことはありますか?

B美 ブラバンの人たちは、試合の状況を見て「どの曲をやるか」を判断しなきゃいけないから、大変そう。場面によって演奏する曲が変わってくるじゃないですか? チアはブラバンの演奏する曲に合わせればいいですが。

A子 そうなんです。打者によっても曲が変わるし、ヒットの曲、ホームランの曲と、場面によって演奏する曲が決まっていて、常に試合を見ている必要がありました。あと、「演奏してはいけない時間」っていうのがあって。たとえば、選手たちが集まって指示を受けている間は、絶対演奏しちゃいけないんですよ。なぜならば「うるさいから」。じゃあブラバン呼ぶなよ(笑)!

B美 いやいや、何様だよ……って感じですね。

A子 どのくらいうるさいんだろうと思って、野球部に聞いたことがあるんですけど、どうやら本当に迷惑らしくて。ブラバンの顧問は「迫力のある応援をすることで、相手チームにプレッシャーを与える」とか言っていましたが、実際は自分たちの学校の野球部にとってもプレッシャーだったみたいです。満塁になった時や、逆転できそうな時に演奏する曲もあるんですが、「その曲が流れると緊張するからやめてほしい」と言われましたからね。それからというもの、「応援」という行為自体が一方的なものである、ということを忘れないようにしようと思ってます。

――逆に、応援していて「楽しいこと」はありましたか?

B美 入部当初は、チアのユニフォームが着られることだけでうれしかった気がしますね。応援うんぬんより、「自分がチアリーダーになれた」と実感することが重要でした。私の場合、当時はチア部のある高校自体が珍しかったし、チア部であるという事実が自分の中でアイデンティティになっている部分もあって。他校の友達に「チアは野球の応援とかできて楽しそう」とかうらやましがられると、うっすら気分がよかったり。

 そういう意味では、正直なところ、本心から野球部を応援しているわけではなく、自分のアイデンティティを確認するための活動の一つだったんだと思います。だんだん試合が面白くなって、多少は気持ちが入るようになりましたが……。冷静に振り返ると、野球部が勝ち進むことのうれしさは、自分のアイデンティティを確認する機会が増えたからだったのかもしれません。でもそれって、チアの大会に出場した時にも得られていたし、「野球の応援」だからこそ得られるものってわけではないかなあ。

A子 私は自分の知っている子が試合で活躍している時ぐらいじゃないと楽しくなかったですね(笑)。1年生の頃は同級生も出ていないし、試合を見ていても正直よくわからないし、別に楽しくない。そのくせ暑い中での演奏はすごく大変。だから、1、2年の時は全然楽しくなくて、3年になってようやくクラスメイトが選手として出るようになり、応援する気持ちになりましたけど。

B美 逆に「応援が楽しくて仕方ない!」という感じの子もいましたね。まあ、チアは「笑顔」で応援するというスポーツなので、試合会場でも明るく元気に振る舞わなければいけないのですが……。感極まって涙目になっている子もいたなあ。

A子 自分の学校が負けて泣いている子もいましたね。そんな中、私は周りが泣いていると、どんどんしらけて「やれやれ終わった」と……。うちの高校の場合、一番楽しんでいたのは顧問の先生だったと思います(笑)。

熱闘甲子園 2019 〜第101回大会 48試合完全収録〜
どうか「大人の消費コンテンツ」にならないように

サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連キーワード

甲子園は「感動ポルノ」? “頑張る高校生”として消費された、ブラバン&チア部が「中止でよかった」と本音対談のページです。サイゾーウーマンジャニーズ(SMAPTOKIOKinKi KidsV6NEWS関ジャニ∞KAT-TUNHey!Say!JUMPKis-My-Ft2Sexy Zone)の最新ニュースのほか、ここでしか読めない裏芸能ゴシップなどをお届けします。女性誌レビューコラムインタビューなども充実! カルチャー社会のニュースならサイゾーウーマンへ!