ITジャーナリスト・高橋暁子さんインタビュー

裏垢女子は危険と隣り合わせ? Twitterで「セフレ募集」がマッチングアプリより危ないワケ

2020/08/01 16:00
サイゾーウーマン編集部

裏垢は「セーフティーネット」にもなり得る

 このように、何かとトラブルに巻き込まれる危険と隣り合わせの裏垢女子だが、「未成年者も多い」という現状を高橋さんはどう思っているのだろうか。

「今の若い子は、SNSのアカウントを複数持つことが当たり前。学校の友達とつながっているアカウント、趣味用のアカウント、愚痴やネガティブなことを吐き出すアカウントなどを持ち、性的なことを投稿する『裏垢』は、その中の一つという位置づけなんです。学生はリアルな世界が狭いので、自分の居場所を確保することに躍起になり、素の自分を出せない傾向がある。例えば、性的なことに興味・関心を持っていたとしても、クラスメイトにそんなことを言ったら引かれてしまうので、絶対に口にできない。だから『裏垢』でその思いを吐き出す。加えて、他人に認められ、承認欲求を満たすことで、リアルな世界とのバランスを保っているんです」

 ネットは、女性が“求めてもらいやすい”環境だと高橋さんは言う。

「SNSに顔写真を上げると、リアルの生活と違って、『可愛い』と言ってくれる。少し体をチラ見せさせると、さらにたくさんの『可愛い』という声が集まり、ちやほやしてもらえる。それが大きな喜びにつながるのでしょう。リアルの世界で居場所がなくなったとしても、ネットの世界に居場所があると、精神的に追い詰められることがなくなるので、ある意味『裏垢』もセーフティーネットになっている面はあると思います」

 しかし先ほど触れたように、自分の写真をアップするのは、さまざまな危険がつきまとうだけでなく、自身が罪に問われる可能性もあるだけに、特に未成年者に対しては、裏垢女子になることを勧めることはできないだろう。学校では、SNSの使い方に関する指導も行われているというが、実情はどのようなものなのか。

「確かに指導していますが、先生たちがSNSに詳しくない、SNSを使っていない、そもそもスマホを持っていないことが結構あって、本当に通り一遍なこと……例えば『顔写真など個人情報を書き込まないようにしましょう』などしか教えない傾向にあります。しかし、生徒たちは個人情報を漏らすことの危険性があまりピンときていないのか、NTTドコモの『スマホ・ケータイ安全教室』を受講した直後に、みんなで記念写真を撮影し、即座にSNSにアップしていた……なんて話を聞きました。しかも、友達との写真をアップする際に許可を取ることもない様子。『顔写真を載せないように』という教えは知っているけど、顔写真を載せないとみんなに見てもらえないし、可愛いと言ってもらえないし、『いいね!』ももらえない……そんな感覚なのではないでしょうか」

 若い世代がSNSを通して発露させる「見てもらいたい」という願望。それが“性”に向かうと、裏垢女子になる可能性が高まるということだろう。裏垢女子は、今後もSNS上でその存在感を増していく予感もするが、何よりもまずは自分を守ることが第一であると肝に銘じてほしいものだ。

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最終更新:2020/08/01 16:00
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