娘の気持ちは……

ジョニー・デップ、当時13歳の娘に“大麻”を渡していた! 「親のすること?」「マリファナ吸いすぎ」と批判の嵐!!

2020/07/10 17:03
堀川樹里(ライター)
「娘のことを思って」というスタンスが怖すぎる

 英大手タブロイド紙「ザ・サン」につけられた、「ワイフビーター(wifebeater/日常的に妻に暴力を振るう男)」の汚名を晴らすために、俳優ジョニー・デップが起こした名誉毀損訴訟が、現地時間7月7日に英高等法院で始まった。ジョニーだけでなく、タブロイド側の証人で、「ジョニーから飲酒/薬物乱用下での暴力を振るわれた」と主張している元妻のアンバー・ハードも出廷した。

 ジョニーは、「ザ・サン」が2018年4月に報じた、ジョニーがアンバーに対してDVをしていたという記事を、「事実無根」で「アンバーのうそに基づき書かれたもの」と訴えているほか、少なくとも96~10年まで「ザ・サン」に携帯電話をハッキングされていたと主張。徹底的に争う構えを見せている。

 裁判初日に行われた反対尋問では、娘リリー=ローズが13歳の時にジョニーが大麻を与えたと証言。「責任ある親」としての役目を果たしたと胸を張り、世間に大きな衝撃を与えたのだ。

 法廷で、「ザ・サン」を発行するニュー・グループ・ニュースペイパーズ(NGN)社の弁護士から、「かなり若い頃から薬物や酒をやっていたようですが?」と聞かれたジョニーは、「安心できるような家庭環境ではなかった」と述べた上で、「(小さい頃から)母親に“神経薬”を取ってくるように言われていた」「“神経薬”は母の心や神経を落ち着かせるものだと気づき、11歳の時に自分もその薬を飲んでみた。それが薬物摂取の始まりだった」「若い頃は、(心の)痛みを麻痺させるために薬物や酒に手を出した」と証言した。

 英ニュースサイト「Metro」によると、その後、ジョニーは「アンバーさんと結婚していた15~16年の間、大麻を吸っていましたか?」と聞かれ、「えぇ、たくさん吸っていました」「大麻には、不安症や不眠症に有効な、多幸感やリラックス作用が得られるという特徴がありますから」と、精神的な医療効果があるから大麻を吸っていると説明。

 続けて「だから、娘さんにもマリファナを勧めたのですか?」と質問されると、ジョニーは「娘にマリファナを勧めたことは一度もない」と反論した。ここでNGN側の弁護士は、ジョニーと当時13歳だったリリー=ローズが交わしたという、以下のメールのやりとりを読み上げた上で、

「昨夜の体験はどうだったかい?」
「気に入ったわ」
「いい子だ。気に入ってもらってよかったよ、オレの天使ちゃん」
「大麻、大好き」
「あまりハマるんじゃないぞ。ちゃんと責任を持てる子で、うれしいよ」

「勧めているじゃないですか。13歳の娘さんに、大麻を教え、体験してもらいたがっているじゃないですか」と言い放った。

 これに対してジョニーは、「その通り」と冷静に述べ、「娘は13歳だった。みなさんご存じのように、11、12、13歳の頃、高校生のパーティに行くと、『みんなも飲んでいるから』と酒を勧めてくる人がいる」「12〜13歳でコカインをやり、大麻を吸い、エクスタシーをキメてるような人たちですよ」と説明。

 娘が12歳の時、そのようなパーティでジョイント(大麻をタバコのように巻いたもの)を渡されたと聞き、「いいかい。パーティでジョイントを渡してくる人がいたら、受け取って、そのまま隣の人に渡しなさい。知らない人とは、絶対にドラッグを試さないように」と言い聞かせたことを明かした。

 その上で、「心の準備が整い、(大麻を)体験する時期が来たと感じたら、パパのところにおいで。初めて経験する時に、見ず知らずの人と、パパが信用できないようなものを一緒にやるなんて。絶対にしてほしくないんだよ。これはおまえの安全に関わる問題だ」と伝え、「父親として娘を心配した」のだと熱弁した。

 このことは、リリー=ローズの母親である女優ヴァネッサ・パラディにも説明。母娘の話し合いも行われ、娘にマリファナを与えたのは両親2人の判断だったと強調した。

 「こういう時期に、親に正直に話せるような環境であることが、子どもにとって何よりも大事。こそこそせずにね」と持論を展開し、「娘に信用してもらいたかったしね。だから彼女の準備が整った時、完璧な環境を用意しなければと思ったんですよ。テレビで『ファミリー・ガイ』(アメリカで人気のブラックユーモア満載の大人向けアニメ)を流し、冷蔵庫にたくさんアイスクリームを用意して……最高に楽しい経験になるように準備してね」と語った。

 そして、「自分が持っている大麻は、自分自身で吸っているから、信頼できる高品質なものだとわかっている。世の中に出回っているドラッグはあまりにも危険すぎるから、娘には手を出してもらいたくなかった」と説明。「あなたから見て、これが間違いだと言うのなら、その忠告はありがたく受け止める。でも、娘を育てる自分としては、責任のある親であろうと努力していただけだ」と締めくくった。

 このジョニーの証言、ネット上では衝撃をもって受け止められた。「12歳の娘が、高校生のパーティに行っても怒らないなんて……」「12歳の子どもに大麻や酒を勧めるって、一体どんなパーティなの!?」「13歳の娘のマリファナ初体験を最高なものにしようと努力する。それが責任のある親のすることなんだ……」「マリファナを吸いすぎて、自分が正しい判断をできていないとは思わなかったのか」など、批判的な意見が圧倒的だ。

 今年21歳になるリリー=ローズは、7歳だった07年に病原性大腸菌感染で腎不全に陥り、9日間入院。ジョニーは、15年に出演したトーク番組で「娘が入院している時は、自分の人生において最悪の時期だった」と回想しており、ネット上では「腎臓病を患った娘に、安易に大麻を与えていいの?」「マリファナは、ハードドラッグへの入り口となるのに」と心配する声も上がっていた。

 「責任ある親でいたい」と努力してきたというジョニー。今後、3週間続く審理で、アンバーの良き夫としてもがんばってきたことを証明し、「ワイフビーター」のイメージを払拭することはできるのだろうか? アンバーとは泥沼の離婚劇を繰り広げたが、今回の裁判でどのような事実が明るみになり、どう決着するのか。ファンは心配しながら見守っている。

堀川樹里(ライター)

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2020/07/10 17:03
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