最低最悪のネタ

米有名YouTuber、11歳のウィロー・スミスで“自慰行為する動画”が「キモい」「信じられない」と大炎上!

2020/07/01 16:00
堀川樹里(ライター)
謝っただけでは済まされないような動画の数々……

 アメリカでタブー視されているブラックフェイス。「白人コメディアンが顔を黒く塗り、“野蛮”な黒人を演じて笑いをとっていた」ことが起源で、黒人は人種差別だと不愉快に思い続けてきた。19世紀に大流行したブラックフェイスは、ほんの10年前まで「白人コメディアンが黒人の有名人をものまねする」コントなどで使われていた。

 BLM(ブラック・ライヴズ・マター)運動が活発化する今、人気司会者のジミー・ファロンやジミー・キンメルら、過去にブラックフェイスをしたセレブたちが、ネット上で次々とやり玉に挙げられている。

 その流れはYouTuberにも及び、ブラックフェイスだけでなく、アジア人や摂食障害者への差別、ペドフィリア(小児性愛)、獣姦などをネタにする過激な動画で人気を集めたシェーン・ドーソンも、現地時間6月26日、YouTubeに20分を超える謝罪動画を投稿した。

 「20歳くらいでYouTubeを始めてから、ブラックフェイスの動画を大量に投稿した。言い訳できないってことは、わかってる。6年前に弁解動画を投稿したけど、当時は『おもしろいからやっただけなんだよ。黒人は大好きなんだ』『単なるジョークだよ』って軽いもので、ブラックフェイスの問題を真剣に考えていなかった。でも今年、長年付き合いのあるの黒人の友人たちが『人種差別的なジョークが本当に嫌いだった』と投稿するようになって、自分がどれほどひどいことをしたか、深く反省したんだ。白人の若い子たちに『ブラックフェイスやっても、ジョークならOK』と誤ったメッセージを送ってしまったことも、ゾッとする」と猛反省。「『単なるコメディ』『キャラを演じてるだけ』『黒人の友人も一緒に出演してたからOKだよ』だなんて許されないことだよね」と、過去の愚行を謝罪した。

 この謝罪動画は現在までに1200万回近く再生され、ネット上では、「本人が削除するほど後悔している動画が、どれほどひどいものだったのか」を検証しようと、動画を探してSNSに投稿する者が続出。その問題動画の中に、当時11歳だったウィロー・スミス(俳優ウィル・スミスの娘)のポスターに向かって、シェーンが「あぁ、髪を前後に激しく振ってくれ!」と興奮しながら、イチモツをしごいているように見える動画があり、これを見たウィローの兄ジェイデンが大激怒。

 27日、Twitterに「シェーン・ドーソン、きみには嫌悪感しかない。11歳の少女を性的対象とし、それがオレの妹だって!!!!!! 笑いから最も離れている行動だし、これっぽっちも許されることではない」と投稿。「こいつはブラックフェイスも頻繁にやる男」「許せない」と怒りを炸裂させたのだ。

 その直後、ウィローとジェイデンの母ジェイダ=ピンケット・スミスも、「シェーン・ドーソンへ……あなたの言い訳にはうんざりだわ」と、強く非難するツイートを投稿。ネット上では、「8年前の動画みたいだけど、あまりにもキモい。こんなのがウケていただなんて信じられない」「スミス家に同情する」「こんなことして金を稼ぐなんて最低だね」とシェーンへのバッシングが相次いだ。

 大炎上中のシェーンだが、ジェイデンやジェイダに非難される前に投稿した前出の謝罪動画の中で、「自分は何を言ってもやっても許される、悪趣味系YouTuberなんだと勘違いして調子に乗りまくっていた」ことを認めた。幼少期に、家庭問題などで嫌な思いをし、心の傷をジョークにしたこと。今となっては、さっさとセラピーに行けばよかったと後悔していること。子どもへの不適切なジョークは、「“子どもが大好き”キャラはウケるから」演じていたもので、「本当の自分は児童性愛者ではない」と誓い、「もう何年も前から、この手の動画は作っていない」こと。今は良い人間になろうと努力していると説明。

 「謝罪を受け入れてくれなくてもいいんだ。ひどいことをしてきたんだから」「全てを失う覚悟はできている」「この動画を見た若い子たちに、こんなことしちゃいけないと伝えられたら」と猛省している。

 ファンはこのシェーンの謝罪を本心だと受け止め、応援している。しかし、彼のことを知らなかったネットユーザーは、今回拡散されている過去動画を見て、ジェイデン同様に嫌悪感を覚えるばかり。当分、バッシングは続きそうだ。

 シェーンはYouTuberとして1投稿につき12万ドル(約1300万円)、年間で720万ドル(約7億7000万円)ほど稼いでおり、計1200〜1400万ドル(約12〜14億円)の資産を築いたとみられている。そのほとんどが彼のチャンネル内で流れる広告によるものだが、YouTube側は、今回の謝罪動画投稿から数日後、シェーンのチャンネルから広告を削除する決断を下している。しかし、最近の彼の動画は問題視されているような内容ではないので、一定期間後には広告を復活させる可能性も高い。

 シェーンの過去動画は悪趣味だが、ネットの大海原には似たような動画があふれている。全世界的に多様性を求める機運が高まっている今、YouTubeをはじめとするプラットフォーム側が、差別的な内容、行きすぎた内容のコンテンツを排除し尽くせるだけの強力な規制を設けられるのか、その点にも注目が集まっている。

堀川樹里(ライター)

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2020/07/01 16:00
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