仁科友里「女のための有名人深読み週報」

手越祐也、“キャバクラ手越”報道への弁明を聞き「オトナとしてやっていけない」と感じたワケ

2020/06/25 21:00
仁科友里(ライター)

手越は嘘がつけないゆえに印象を悪くした?

 会見で手越は「僕、嘘がつけないんで、思ってないことも言えないし、ゴマをすることもできない」と発言していた。子どもの頃、大人に「嘘をついてはいけない」と教えられた人は多いだろう。嘘をつかないことは善人の証でもある。手越は自分は嘘をついてまで、人に媚びたり、おもねったりしないので「誤解されやすいところがある」と自分を思っているのではないだろうか。

 確かに手越は元来、嘘つきではないと思う。会見での彼の言い訳は、辻褄が合っていないし、ポイントもずれていて、イメージを悪くした気がした。嘘をつきなれている人なら、もっとうまくやったのではないだろうか。

 それを強く感じたのが、先ほど挙げた会見の要点の「5」と「6」である。

 緊急事態宣言といっても、全ての外出を自粛せよと言われていたわけではなく、例えば通院や食料品などの買い出しは認められていた。だから、手越が外出したとしても、それ相応の理由があれば、責められるいわれはない。外出がダメなのではなく、「理由」が問われるわけだ。

 手越は、その点に関し、「医療従事者と、人の命を助けることの手伝いやボランティアができないかを話し合うため」と説明しているが、4月1日に日本医師会は、感染者が増え続ければ医療現場が持たないとして、「医療危機的状況宣言」を発令している。もし人の命を助けたいと本気で願うなら、医療崩壊を招かないようにすることが重要であり、とりあえずできることは自分が患者にならない、つまり人と接触しないことに尽きるので、会食をしている場合ではない。食事相手の医療従事者が前線で治療に当たっているとしたら、感染リスクを高めるような行為をうかつに取るはずがないし、もし前線にはいない医療従事者と食事をしたのなら、それは人命を助ける手伝いとどうつながるのだろうか。

 また、理由にボランティアを持ってくるところも、ちょっとヘタクソだ。イメージを良くしたいときに、芸能人が人のための仕事である介護やボランティア、その他の社会貢献に取り組むと強調することはよくある。

 2009年に酒井法子が覚せい剤取締法違反で逮捕された際、裁判で「芸能界は引退して、介護の仕事をしたい」と話していた(実際は介護の世界には進まず、芸能界に復帰)。19年、夫が知人男性への恐喝容疑で逮捕され、自身にも美人局疑惑が持ち上がり、書類送検された道端アンジェリカは、芸能活動を休止せざるを得なくなったものの、不起訴になって芸能界復帰を宣言。インスタグラムで「社会貢献活動を通して、またみなさまを幸せにできますよう努力いたします」と発表した。

 無私の活動にエネルギーを注ぐことでイメージをアップしたいと思っているのかもしれないが、それで騙されるほど大衆は甘くない。手越の場合も、新型コロナウイルスの影響で、経済的に追い詰められているお店や友人にお金を届けたくらいのことを言ったほうが、よかったのではないだろうか。

 チーフマネジャーに事前に連絡するくらいオープンにしていた会食だったというのも、これまたワキが甘い言い訳だ。やましいものではないと言いたいのかもしれないが、肝心の「誰と一緒」については触れていないことを明らかにしてしまっている。マネジメントする側が知りたいのは「外出するかどうか」よりも「誰と何をしているか」ではないだろうか。

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降りるに降りられない手越担の気持ちを考えると
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