【連載】スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報

『ザ・ノンフィクション』にも登場、“子宮系女子”の教祖様が始めた「新・スピリチュアル商法」の危険度

2020/06/19 20:30
黒猫ドラネコ(ライター)
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弱った心に入り込む、甘い言葉やラクに稼げそうな情報――。ネット上には、無責任な理論で集客しては人を食い物にするような、スピリチュアリスト、霊能者、民間資格カウンセラーなどがあふれています。彼らを信じ込んでしまえば、価値観や金銭感覚をゆがめられるのはあっという間。友人や家族を失ってからでは、もう遅い! 「スピリチュアルウォッチャー」黒猫ドラネコが、現代社会にのさばる怪しい“教祖様”を眼光鋭く分析します。

 なんと、節目の第20回を迎えました。連載が続くということは、“教祖様”が健在ということでもあるので残念ですが……。そこで今回は、原点回帰して「子宮系女子」の現状について触れたいと思います。

 当コラムではおなじみですが、ネット上では話題になるたび「なんだそれ?」「知らないほうがよかった」などと酷評される、子宮系女子。“婦人科専門の霊能者”を自称するスピリチュアルブロガー・子宮委員長はるをあがめる人たちのことです。

『ザ・ノンフィクション』にも“子宮系女子”が登場

 5月31日、フジテレビ系のドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』にて、9人の大家族・西山家が取り上げられました。夫1人・妻2人と連れ子からなる一家として登場し、ネット上でも話題に。家族の形はそれぞれなのでいいとして、物議を醸していたのは、夫の「インスピレーション書道」と、放送後、ネットユーザーに見つかった妻のスピリチュアルめいたブログでした。そのブログに度々登場する人物こそ、「子宮委員長はる」です。

 西山夫妻3人は2018年4月、スピリチュアリスト・happyが主催したイベント「第2回シンデレラプロジェクト」にて、結婚式を挙げています。お笑い芸人のなだぎ武さん、タレントの小林麻耶さんらも登壇し、信者たちを熱狂させたこのイベントでは、盛大な「子宮委員長引退式」も行われていました。

 これに乗じて、子宮委員長はるは「引退記念グッズ」を売りさばき、その後は「八木さや」と名前を変え、長崎県壱岐市(壱岐島)に豪邸を建てて隠居。……のはずが、案の定、“教祖様”として活動を再開します。子宮委員長時代も、依頼者の名前だけで性器を鑑定した「御まん託」という紙を4万9,000円~販売していましたが(マジで何それ?)、結局、それと似た情報商材「自分ビジネス講座」のDVDを販売。名前を変えてもなお、スピ系ビジネスを展開しているんです。さらには、自身のブログで「壱岐市長選に出て、いずれ総理大臣になる」とまで豪語。その壱岐市長選が、今年4月12日に行われました。

壱岐市長選、出馬しなかった八木さやの“意味深”発言

 任期満了に伴う壱岐市長選は、4月5日に公示。我々ウォッチャーはワクワクしつつ見守りましたが、出馬したのは現職の白川博一氏と、無所属の森俊介氏2人だけでした。あれだけブログで「市に税金を納められる人を増やします」「移住者を1000人増やし、5年後には10000人増やします」「(壱岐市が)日本全国、世界中のモデルになればいい」と息巻いていた八木さやはどこへ!? 不出馬の理由は、4月13日更新のブログで明らかになります。

「今、わたしの住む壱岐島では 市長選挙が終わったところ。わたしは行かなかったんですけどね。(中略)男の競い合いには、参加することなかれ、って感じ。怪我する。でも、うすら巻き込まれるっていう…2人の候補者がいたんだけど、手加減なくなじられるという惨事。傷ついてたんだけど、まぁ、わたしが両者の視界に入ってるってことですよね」(4月13日「緊急宣言!無料自分ビジネス講座、復習ダイジェスト始めるよ!」より、原文ママ)

 女性というだけで立候補を妨げられたのだとしたら気の毒ですが、正直なところ、詳しい理由はわかりません。ただ、一つ確実に言えることは、今回4選を果たした白川氏は、18年10月に行われたhappy主催のスピリチュアルイベント「縄文祭」に思いがけず加担する形となり、市議会で問題視されるなど、散々な思いをしています。そんな現職に肉薄したのが、無所属新人の森氏。私は彼の支持者から、「八木さやのスピ商法を把握した上で選挙に臨んでいる」との情報をもらっています。それだけ、スピ系ブロガーの動向を注視し、敏感になっている市民が多いということでしょう。

 そんな森氏のブログには、「『森さんの出馬のバックに、スピリチュアルをビジネスにされている方々がいるという噂を聞いたのですが、本当でしょうか?』という内容の問い合わせを複数いただきました」(2月4日「壱岐市長選挙に関する、デマについて。」より)と書かれています。「噂はまったくの事実無根」とした上で、happyと八木さやの実名を出し「これまでにお会いしたことも、会話や連絡のやり取りをしたことも、一度もありません。もちろん政治的なつながりも一切ありません」と強調していました。スピイベントに巻き込まれて窮地に立たされた白川氏と、教祖様との関わりを疑われた森氏……ひょっとして、これが八木さやの言う「男の競い合い」なのでしょうか?

 ちなみに、先ほどの八木さやのブログには続きがあります。「選挙は絶対行かない。息吸っただけで身が汚れる。ま、選挙に行ったことないんですけどね。選挙バージンです。惚れ込んだ人が出たら行くけど」とのこと。ええ~あんた、選挙行ったことないのに「市長になる!」とか言ってたんかい? てか、昨年末に気の早い子宮系女子たちが「八木総理大臣訪米準備会」まで開き、八木さやをサンディエゴに招いたというのに……。そこまでやっておいて、信者が誰も「市長選には出ないの?」と聞かないところも不思議です。

呪われ女子に、なっていませんか?
よくもまあここまでいろんなことが思いつくよね
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