インタビュー

“セルフホワイトニング”はホワイトニングにあらず! 歯科医が「まったく別物」とバッサリ!

2020/05/05 17:00
サイゾーウーマン編集部
Ni_photoさんによる写真ACからの写真

 昨今、インスタグラムやYouTubeなどで「セルフホワイトニングサロン」を紹介しているインフルエンサーを見かけないだろうか? 「手軽に歯が白くなる」「痛みは一切ないので安心」などと宣伝するサロンが都内を中心に急増しているだけでなく、脱毛サロンやエステ、さらにはブランド品買い取り店でも「セルフホワイトニング」が行われている。

 安価で手軽な印象が強い「セルフホワイトニング」だが、歯を白くするという目的であれば、歯科医院でも「ホワイトニング」を行っているところは多い。この二つはどちらも「ホワイトニング」を冠しているが、果たして同じ効果が得られるのだろうか? あやクリニック歯科・皮ふ科の吉田亜矢院長に話を聞いた。

「着色汚れ」を落とすだけではホワイトニングと言わない

――「歯を白くする」ために歯科医院で行われている施術は、主にどのようなものがありますか?

吉田亜矢院長(以下、吉田) まず一つ、歯石を取って歯をツルツルに磨き上げる「クリーニング」があります。こちらは、着色汚れを落とすことができる施術です。歯科医院のホームページなどでは、「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」と紹介しているところもありますね。

 もう一つ、歯科医院では「ホワイトニング」も行います。簡単に説明すると、歯の表面にはエナメル質があって、その下に象牙質、さらにその下に神経が通っています。歯科医院で行う「ホワイトニング」は、専用の薬液によってエナメル質の表面を“曇りガラス状”にし、茶色い象牙質を表面に映らなくすることを指します。

 まったく同じケアをしてきた人でも、20代と80代では必ず歯の色が変わってきます。なぜかというと、歳をとるとエナメル質が結晶の成熟化により透明に近くなり、象牙質の色が外に見えてくるから。「着色汚れが蓄積して色が変わる」と思う人も多いですが、実はこういう理由なんです。ちなみに、東洋人の歯はもともと象牙質の色が濃いので、若いころから歯の色を気にされる方もいますね。

――歯科医院では、どのような方法で「ホワイトニング」を行っているのでしょうか?

吉田 種類が二つあって、歯科医院の中で行う「オフィスホワイトニング」と、自宅で行う「ホームホワイトニング」があります。この二つは、使用する薬液の過酸化水素と過酸化尿素の割合が違うのですが、「オフィスホワイトニング」は1回の通院で歯を白くするので、過酸化水素の濃度が高い薬液を使用しています。誤って薬液が歯ぐきにつかないよう、光を当てることによって固まるプラスチックでしっかりとガードした上で、施術を行っています。

 「ホームホワイトニング」は過酸化水素の濃度が低い薬液を使用しますが、その代わり、約2週間・毎日2時間ほどマウスピースを装着し、薬液を歯につけておく必要があります。言い換えれば、「そこまでしないと歯は白くならない」ということです。

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