[再掲]スピリチュアルウォッチャー・黒猫ドラネコの“教祖様”注意報

昭恵夫人と旅行の「ドクタードルフィン」松久正氏は何者か――心屋仁之助氏ら“スピリチュアルイベント”参加の過去

2020/04/16 17:43
黒猫ドラネコ(ライター)

“ドクタードルフィン”松久正氏の周辺にいるスピリチュアルな人々

 SHINGO氏は「龍の魔法学校」なるセミナーを開催しており、彼のブログを見ると、「魔法学校の生徒」と輪になって手をつないだり、魔法使いのような衣装を着て生徒の頭に手をかざしたりと、非常に“それっぽい”ことをやっています。なお、今年1月に名古屋で開催された「龍の魔法学校2019」は、午前10時~午後5時の受講で、参加費10万円(税込)。SHINGOさんのブログによると、「さまざまなスピリチュアル能力を1日にして得ることができます」とのことなので、安いと感じる人も、もしかしたらいるかもしれません。

 実はSHINGOさん、「前世が卑弥呼」だという天宮玲桜(あまみやれいか)と、長崎県壱岐市の観光大使を1年足らずで解任されたスピリチュアリスト・happyの“付き人”だった過去があります。この手の人たちって、広~く浅~く繋がるんですよね。2017年1月13日、SHINGO氏は「つきびと終了しました」というタイトルのブログを更新していました。そこには、「3か月弱という短い間で 僕のお金・時間・人間関係すべての価値観が まったく変わってしまった。こんな変化、自分でも想像していませんでした。人生はこんなにも突然変わるということ そして、『世界は自分で創る』って ホントだった、ということを 間近で見せてもらいました」などとつづられており、2人に強く“感化”された様子が伝わります。

 付き人を辞めて約半年後の17年7月、SHINGO氏は「スピリチュアル好きのための龍神サロン」なるコミュニティを立ち上げ、本格的に“教祖様”への道へと進みます。一般的な認知度はほぼゼロ、たった2年の“教祖歴”で『龍の日』のメイン扱いされるとは、さぞ素晴らしい力をお持ちか、世渡り上手のどちらかでしょう。

キャッチーなことが言えれば“教祖様”になれる

 改めて言うのもなんですが、「龍」は空想上の生き物です。夢のある言い方をすれば、似たような生き物なら、どこかにいるのかもしれません(SHINGO氏は視たって言ってるし)。こうした“空想上の存在”というのは、「大きなエネルギー」といった曖昧なニュアンスに変換され、都合よく利用されがち。子宮委員長はる(現・八木さや)が「“子宮の声”に従って生きる」などと唱え、局地的に大流行した「子宮系スピリチュアル」と「龍のエネルギー」は、似たようなものだと言えるでしょう。

 別にこれは、「子宮」や「龍」ではなくても、「宇宙人」「ペガサス」「人魚」などなんでもよくて、まだ見ぬ不思議なもの、だけどイメージしやすいものから「力を与えられた」とでも言えば、なんでも“スピっぽく”なってしまいます。こういったモチーフを持ち出せば、特別な力を持っていなくても、誰だって人を導く“ふり”ができる。ネット上での自己発信が達者で、キャッチーなイメージを作り上げた“だけ”の人たちが、実にならないセミナーを開き、高額な商材を購入させているのかもしれません。

 たとえすべてがウソだとしても、“教祖様”にお金を出す人が集まってしまうスピ界隈。人からお金を巻き上げるなら、最初から「龍とか子宮とか宇宙とか不思議で面白いことを言うので、お金を恵んでください!」と素直に言う教祖様のほうが、まだマシだと思いますけどね。

黒猫ドラネコ(ライター)

黒猫ドラネコ(ライター)

九州出身、都内在住のアラフォー。ネット上にはびこるスピリチュアル・ビジネス、自己啓発セミナー、陰謀論などを観察するライター。スポーツ観戦も趣味。3食スイーツでもいい甘党。LINEマンガ『妻が子宮カルトに沼りました』連載中。

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Twitter:@kurodoraneko15

黒猫ドラネコ【トンデモ観察記】

最終更新:2020/06/04 22:08
かほなちゃんは、宇宙が選んだ地球の先生 ドクタードルフィン松久正×異次元チャイルドかほな
自らスピ界隈の胡散臭さにツッコんでいく昭恵であった
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