【管理栄養士が厳選「ズボラ飯」のススメ】

【牛丼チェーン】「吉野家」「松屋」「すき家」徹底比較! 管理栄養士が“1位”に選んだ店舗は?

2020/04/17 21:00
川村郁子(管理栄養士)

すき家のおすすめサイドメニューは?

――「すき家」は野菜をプラスしやすいとのことですが、具体的にはどんなメニューがおすすめですか?

川村 牛丼にプラスするのであれば、「青ねぎ」や「おろしポン酢」を積極的にプラスして、栄養を補うとよいでしょう。「青ねぎ」は緑黄色野菜に分類されますので、βカロテンや葉酸、ビタミンKなどのビタミン類を摂取することができます。また、「おろしポン酢」の大根おろしには、ナトリウムの尿中排泄を助けるカリウムが入っています。牛丼はやや塩分の高いメニューですので、大根おろしはぜひ追加してほしいです。

 個人的には、「かつぶしオクラ牛丼」が気になるところ。オクラのビタミンやカリウム、食物繊維をプラスできるので、栄養バランスが整いやすくなります。すき家はサラダやカレーにもオクラを入れたものがありますね。

すき家公式サイトより

 炭水化物の摂りすぎが気になる方向けには、ご飯をお豆腐に代えた「牛丼ライト」も魅力的です。キャベツなどの野菜も入っていますし、豆腐でカリウムやタンパク質などが摂取できます。炭水化物量は、並盛で17.9g(並盛の牛丼で炭水化物104.1g)となっていますので、かなりカットされています。ダイエット中の方や、糖質をセーブしたい方におすすめです。

――「吉野家」「松屋」では、どんなサイドメニューやトッピングがおすすめですか?

川村 やはりサラダが手っ取り早いですね。どの牛丼チェーンも、サラダが100円台でプラスできるのはいいポイント。吉野家の「生野菜サラダ」は、キャベツのビタミンCや食物繊維、カリウムをプラスすることができます。また、生野菜は歯ごたえがあるので、かむ回数が増えて満腹感を得やすくなります。

 サラダ以外では、「ねぎ玉子」や「しらすおろし」がおすすめです。「ねぎ玉子」はネギのβカロテン、ビタミンKやカルシウム、卵のタンパク質、ビタミンDをプラスすることができます。「しらすおろし」はしらすのカルシウム、大根のカリウム、食物繊維が摂れますね。また、生の大根にはジアスターゼという酵素があり、消化を助けてくれる効果もあります。

 松屋にも、ネギや大根おろし、サラダメニューはありますが、あえて「冷奴」はいかがでしょうか? 

松屋公式サイトより

 豆腐のカリウム、カルシウム、食物繊維をプラスすることができていいですね。また、朝食でおなじみの「焼きのり」には、代謝に関与するビタミンB12や食物繊維がプラスできておすすめです。

――サイドメニューで不足しがちな栄養素を自由に補える点が、牛丼のいいところなのかもしれませんね。

川村 そうですね。牛丼は食べ応えのあるメニューですが、単品だとビタミン類やミネラル、食物繊維などが不足しやすいのが難点。そこでサラダやネギ、大根おろしなどをトッピングして、バランスを整えておいしく食べるのがいいでしょう。

 毎回追加するトッピングを考えるのが大変だと思う人は、あらかじめネギや大根おろしがのっているものから選ぶとか、ヘルシー志向の方に向けた牛丼メニューを活用するとよいでしょう。
(文:佐藤真琴)

■川村郁子(かわむら・いくこ)
管理栄養士。中村学園大学栄養科学部栄養科学科卒業。九州の病院栄養士経験を経て独立。レストランのヘルシーメニュー監修、栄養専門学校講師、企業・大学での食育講演を行いながら、「コンビニや外食との上手な付き合い方」「15分で作れるかんたん栄養めし」の提案をしている。
インスタグラム:@shokuikuko/WEBサイト:「酒好きの食育」 https://shokuikuko.net/

最終更新:2020/04/17 21:00
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サイドメニューを甘く見ちゃいかんぞ!