知られざる女子刑務所ライフ87

羽賀研二、実刑判決で次の刑務作業は何? 元女囚が考える「芸能人の刑務所ライフ」

2020/03/22 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

事実なら賠償ももらえるようなイジメ

 羽賀さんは、新潮のインタビューで「(施設内の)工場から流れてきた鉄片やら木片、なんだか分からない突起物が紛れていて、うっかり触れば手を切ってしまう」ような下水溝で独り黙々と掃除をさせられていたと語っています。

 事実ならひどい話ですが、男子刑務所ならあってもおかしくない気もしますね。こういうイジメは女子刑務所では聞いたことはないですが、女子刑務所の刑務官がやさしいわけではありません。危険な肉体労働のようなわかりやすいイジメはしない、ちゅうことです。

 ここまで危険な作業をさせたんですから、羽賀さんはムショに対して裁判も起こせるかもしれませんよ。ムショは国の機関なので、舌を噛みそうですが、「国家賠償請求訴訟」ですね。でも、証拠はないでしょうし、実際にケガをしてなければ難しいかも?

 ちなみに羽賀さんはヤクザではないし、累犯でもないのに仮釈放は認められずに満期出所されたそうですが、これも多分イジメですね。インタビューによると、何度も「担当抗弁」(刑務官に文句を言うこと)を繰り返していたそうで、「これではカリシャク(仮釈放)は無理やなー」と思いました。刑務官に言い返したら、まずええことはありません。いじめられる原因にもなります。まあそれでも毎日ナカ(獄中)ではハラが立つことも多いので、私も問題を起こすことはありました(笑)。

 ただ、刑務官に言い返すのもコツがあります。誰彼かまわずキレまくるのではなくて、自分をわかってくれている刑務官のメンツをつぶすような言い方はしないとか、キレるのも考えてやらなあかんのです。

 思えば私もいろいろとやらかしてるので、羽賀さんが落ち着いたら対談でもしてみたいですね。控訴審と上告審の判決にもよりますが、羽賀さんは次のムショでどんな刑務作業をさせられるのでしょうか。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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最終更新:2020/03/22 17:54
女子刑務所ライフ!
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