【連載】現役コスプレイヤーが“業界の闇”ぶっちゃけます。

人気コスプレイヤーが震え上がった、“カメコ”の異常な執着――3年間「無言で」渡され続けたモノ

2020/03/14 18:00
椎名蜜(ライター)

“スケスケ手作り衣装”をプレゼントするカメコ

 コスプレというものに触れてこなかった多くの人にとって、「コスプレ写真ってどこで撮るの?」という疑問があると思います。主に、「コミックマーケット」等の大型イベントに併設する“コスプレエリア”での撮影、遊園地や屋外施設、イベントホールなどで行われるコスプレ専門の“イベント”、さらに本格的な撮影スタジオで行う“撮影会”があります。私はよく、この撮影会に参加していました。

 個人でスタジオを借りて撮影会を開くのは、面倒な上にトラブルも起こりやすいです。なので、スタジオと利用者の間に入り、撮影会を主催する団体がいくつかあります。中には、専属でコスプレイヤーさんを抱え、定期的にカメコさんを募って撮影会を行うスタジオも(いい商売になるのでしょう)。しかし、こうした撮影会は“追加料金”を支払えば、カメコさんが好みのレイヤーさんに「着用してほしい衣装」を渡し、それを着てもらって写真撮影ができるという、風俗チックなオプションがあったりします。

 とはいえ、こうしたオプションが選べる撮影会は、水着やランジェリーといった、露出度の高い衣装を着ることを前提にしている場合が多いです。要は、誰もが「エロい撮影をする」という認識で、撮影会に参加しているのです。

 私の場合、レオタード系、体操服、スクール水着なんかをカメコさんから希望されることが多く、中には「あなたのために作ったので、この衣装を着てください!」と、渾身の“スケスケ手作り衣装”を渡されることもありました(水着の上から着ましたよ……)。しばらくたって、その衣装をうっかりフリマサイトで売ってしまったところ、コスプレイベント会場で、そのカメコさんからにらみ続けられるという怖いこともありました。カメコさんはよくフリマサイトを“監視”しているので、もらった衣装を売る場合は要注意です!

「ラブホテル撮影」がメジャーになる怖さ

 もっとディープな世界になると、撮影会団体を介さず、SNSなどでカメラマンから直接撮影の依頼が来ることがあります。「ギャラは○時間につき○万円、衣装は▲▲でお願いします」といった、至って業務的な“オファー”が届くのです。逆に、コスプレ写真集の撮影や、ホームページ用にクオリティの高い写真を撮影してほしいと、コスプレイヤー側からカメコさんへオファーする場合もあります。

 どちらの場合も、スタジオを借りるよりも安く、部屋のクオリティが高いラブホテルがよく利用されます。プールつき、ヨーロピアン調、和風などなど、コンセプトがしっかり決まっている部屋は、コスプレ撮影にピッタリなんですよね。最近だと、「コスプレ撮影OK」と銘打っているラブホや、コスプレ撮影ができる店舗を全国から探せるサイトまであります。

 そのため、男性カメコさんとのラブホ撮影でも、あまり違和感や警戒感を抱かない女性コスプレイヤーさんも増えているようです。しかし、これについてはちょっと思うところがありまして……。「エロキモカメコ」に遭遇した話は、次回ぶっちゃけます!

椎名蜜(ライター)

椎名蜜(ライター)

元グラドル・現役40代レイヤー。現在は過去の面影もなく、ぽっちゃり系。ひっそりとコスプレイベントに参加するも、ウェブ上では活動自体非公開。過去を振り返ってみて、フォロワーもファンも誰もいなくなったけど、今のほうが幸せ。

最終更新:2020/03/14 18:00
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