知られざる女子刑務所ライフ86

槇原敬之はもうやってない? 田代まさしはどうしたらやめられる? 元女囚が考える薬物事件の再犯

2020/03/08 16:00
中野瑠美

「昔はよかった」的には考えないほうがいい

 判決で、裁判官は「あなたに手を差し伸べてくれる人がいるのは財産。社会復帰したら、財産を生かして薬をやめ続けてほしい。今度こそ二度と罪を犯すことのないように」と言ったそうですが、「財産」があってもやめられなかったのは、なぜなんでしょう?

 これは私の推理ですけど、マーシーは「寂しい」んやと思います。今も人気はあるにはあっても、昭和の頃の大スター的な人気とは違いますよね。ラッツ&スターとか志村けんさんとか、昔の仕事仲間はもう付き合ってくれてないようですしね。

 昔の大スターの自分と比べて、「オレってば何やってんだろう?」って思うと、やっぱり寂しいし、へこむのとちがいますかね。そういう気持ちになると、クスリに手を出しやすいんです。なんかね、誰でも「昔はよかった」的には考えないほうがええと思いますよ。まあ私は、昔はムショにいたんで、今のほうが全然ええですけど(苦笑)。マーシーも若い頃のことがなかなか忘れられないのでしょうが、「今」と「前」を見て生きてほしいです。

 あと、マーシーは裁判で「ずっとクスリをやめていたのに、2019年8月に『反社会的勢力との宴会』でクスリをもらって、また使い始めた」そうです。やっぱり、売ってくれる人との関係を絶たないとやめられないですよ。

 ちなみに「オンナのほうがクスリをやめにくい」とよくいわれますけど、どうでしょうかね。「キメセクが気持ちよすぎるから」らしいですが、私の感想ではオトコのほうがよっぽどやめられない感じです。これもやっぱり寂しいからかなーと。寂しくても、みんながんばって生きましょうよ(笑)。

最終更新:2020/03/08 16:00
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