知られざる女子刑務所ライフ86

槇原敬之はもうやってない? 田代まさしはどうしたらやめられる? 元女囚が考える薬物事件の再犯

2020/03/08 16:00
中野瑠美

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

逮捕から起訴の日まで3週間も勾留

 3月4日に槇原敬之さんが覚醒剤所持などで起訴されましたね。びっくりしたのは、2月13日の逮捕から起訴の日まで3週間も勾留されていたことです。「所持」だけでそんなに? もともと所持は認めていたようですし、最初の尿検査で陰性とわかった時点で、保釈でよかったのとちがいますかね。やってもいないことで長い勾留はイヤガラセでしかないですよ。かわいそうに。

 今回の逮捕の時、「2年も前の所持で逮捕なんて、政府の都合の悪いことを隠すためでは?」とかネットなどでいわれていましたね。私は「陰謀説」とかようわからんのですが、こんなちっさいことで長く勾留されてると、やっぱりおかしいなと思ってしまいます。マッキーも、「がんばってるのに信じてもらえない」となったら、やる気なくなりますよ。2年前の所持なら実刑はないと思いますが、応援しています。

マーシーは、どうやったらやめられる?

 同じ3月4日、マーシーこと田代まさしさんの裁判では、実刑の一部が保護観察付きで執行猶予になりましたね。ややこしいですが、「一部の執行猶予」は最近できた制度です。刑期満了前に薬物の更生プログラムなどを受けられるように、少し早めに出所(=刑の猶予)がアリなんですね。

 何回か書かせてもらってますが、どうすればクスリをやめられるのか、ホンマにわかりません。普通は「居場所」があるとやめやすいといわれています。なんの心配もなく住める家庭とか、仕事とか、あとは親しい家族や友だちですね。私が今なんとかなっているのも、こういう居場所があるからです。

 マーシーも、たくさんのファンがいて、YouTubeでも人気があって、支えてくれる妹さんとかもいて、「居場所」はあったはずですよね。

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