開催? 延期? 五輪どうなる

新型コロナで開催揺れる東京五輪、パラ・メンタルコーチが「選手の心身」に及ぼす影響を解説

2020/03/09 19:00
木村好珠(精神科医・健康スポーツ医)
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 東京2020オリンピック・パラリンピックの開催をめぐり世論が荒れている。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、開催すべきか、延期すべきか、それとも中止か――。延期や中止となれば「史上最大のスポーツニュース」「前例のない出来事」と報じる海外メディアや、「景気回復が遠のく」「甚大な損失」と伝える経済メディアもあるが、最も深刻な状態に置かれているのは出場する選手ではないだろうか。

 先行き不透明な現状が選手に及ぼす影響について、外科・内科に加えメンタルケアも行うスポーツ健康医で、パラリンピック「ブラインドサッカー」日本代表のメンタルコーチを務める医師・木村好珠氏に話を聞いた。

――開催が確定されていない状況は、五輪選手のメンタルにどのような影響が考えられますか?

木村好珠氏(以下、木村) 現時点ですでに五輪選手及びスタッフたちに影響は出ているはずです。「不安」というのは、将来のこと、そして抽象的なことに生じやすいといわれていますので、選手が今立っているのは、まさに「不安」が生まれやすい状況です。先のことを考えなければいけないのに、何もかもがどうなるかわからない。数カ月後という近い将来でさえ明確に具体的に描けないのですから。

 また今は五輪の選手選考の時期であり、まだ出場が決まっていない選手はさらに不安に拍車をかけることになります。言葉にして不安を表に出していなくとも、少なからず不安は感じているでしょう。それがパフォーマンスに影響が出る可能性も否定できません。

――新型コロナに感染するリスクがあるとして、諸外国からも日本開催に対する懸念が伝えられています。「アスリートファースト」という目線で見たとき、今回の五輪はどうあるべきと考えますか?

木村 これに関しては、かなり難しいですね。「アスリート第一」とは、心身ともに健やかに安心して、かつフェアーに競技が行われる状況だと思います。コロナが終息しない中で、心身共に安心して競技を行えるでしょうか? そう思うと、厳しい決断をしなければならないかもしれません。

 五輪は各国の人が集まる一大イベントです。人が密集することで、どれだけの影響があるのかは、まだ明確にわからないことも多いです。というのは、感染者発見からの日数も短く、感染ルートが不明な症例も多い。そして、検査の有無にもばらつきがあり、正確な分析がしにくい状態にある。オリンピックは世界中の人が集まるため、もしその場の1人がウイルスを持っていたら、それだけで、いろんな国に拡散する可能性があります。もし、今このタイミングでオリンピックが行われるとしたら「日本に行きたくない」という海外選手も出てくることでしょう。

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