インタビュー

「不快な思いをさせてすみません」への違和感――指原・喜多村“テンプレ謝罪”を心理学でひもとく

2020/03/07 20:30
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
「不快な思いをさせてすみません」への違和感――指原・喜多村テンプレ謝罪を心理学でひもとくの画像1
「とりあえず謝ろう」って気持ち、結構バレてるからね~

 昨今、スキャンダルや炎上を起こした芸能人・有名人が「みなさまに不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございませんでした」などと謝罪する光景をよく目にする。最近では、女優・鈴木杏樹との不倫が報じられた俳優・喜多村緑郎が「私のプライベートなことで普段、応援してくれているみなさま、舞台を見てくださっているみなさまに不快な思い、そして心配をお掛けしたことを心より申し訳なく思っております。本当にすみませんでした」と、謝罪していた。

 また、女性アイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」のプロデューサーを務める指原莉乃は2月25日、「メンバーのオフィシャルではない画像に関して、ファンの皆様を不安な気持ち、不快な気持ちにさせてしまい申し訳ございません」と、自身のTwitterで謝罪。≠MEメンバーの谷崎早耶と、一般男性のツーショット動画が流出してファンの間で問題視され、この投稿をしたのだ。

 2つはまったく異なる案件だが、同じように誰かを「不快な思い」にしたことに対し「申し訳ない」と謝罪している。しかし、ここで問題となった「不倫」や「流出」が「不快」に感じるかどうかは、人によって大きな差がないだろうか? そもそも、人はどんな時「不快な思い」になるのだろうか? いつの間にか“謝罪のテンプレ”と化した「不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした」の一言について、精神科医の木村好珠氏に、心理学の視点からひもといてもらった。

「不快な思い」には大きな個人差がある

――何かに「不快」だと感じた時、人間にはどのような変化が起こりますか?

木村好珠氏(以下、木村) 「快」「不快」は人間が行動する上で、最も基本的な動機付けになる感情です。「不快な思い」の中には「恐怖」や「不安」が込められており、これを感じると「現状になんらかの対処が必要」だと、本能、喜怒哀楽、情緒などをつかさどる“大脳辺縁系”に知らされます。一種の防衛本能ともいえ、「不快な思い」は生きていく上で非常に大切な役割を担っている感情です。例えば、自分にとって面白くないことに対して、人間は「不快」だと感じますが、「そこから遠ざかろう」「不快な状態を解消するような刺激を得よう」と考えるのは、防衛本能が働いているからなんです。

――「不快な思い」を抱くのに、個人差はありますか?

木村 「不快」に感じるかどうかは、かなり大きな個人差があります。もともとの性格もありますし、これまで生きてきた環境により、同じ事柄でも「不快に感じる人」「感じない人」がいます。また、同じ人でも状況によって「不快に感じる時」「感じない時」があります。

 さらに、「不快」だと感じる時間にも個人差が生じます。不快な思いを抱かせる人や物が近くにあれば、当然持続時間は長いです。しかし、芸能人・有名人といった「もともと自分の身近ではないもの」に対しては、「不快な思い」を抱く時間が短い人のほうが多いでしょう。大衆に向けた謝罪という意味では、感じ方が人それぞれである以上、「不快な思いをさせたこと」に謝っても、許しにはつながらないかもしれませんね。

――ちなみに、どういった人が「不快な思い」を感じやすいのでしょうか?

木村 「不快な思い」を感じやすい人の特徴としては、真面目すぎる、きちょうめん、頑固、プライドが高い、自己肯定感が低い人。一方で、「不快な思い」を感じにくい人は、主体的に動くことができる、外交的で楽観的、自己肯定感が高いことが挙げられます。

――「不快な思い」に対して謝罪した時、相手は許してくれるものなのでしょうか?

木村 これは、謝罪の仕方によると思います。相手が許してくれるかどうかは、当事者の“言葉”だけでは決まらないからです。心理学的に、こうした謝罪で大切だとされるポイントは、相手が何に対して不快に感じたのかを明確にすること。「本当はこうしてほしかった」という相手の願望を見つけ、それに対する自分の意思を伝えることが望ましく、その上で、代替案や解決策を具体的に伝えることが大事です。また、本心というのは“表情”によく表れます。本当に謝りたいのか、話す言葉の中にウソはないのか、自分の言葉で謝罪しているのか……謝罪された相手は、表情からも判断しているのです。

 謝罪する時、これらを意識せずに「不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした」と謝っても、個人的には「世間は許してくれないだろうな」と感じてしまいますね。

■木村好珠(きむら・このみ)
精神科医、産業医、健康スポーツ医。慶應義塾大学病院研修修了後、都内クリニック、静岡赤十字病院で勤務。現在は東北の病院にて常勤医、静岡県内の病院、 東京・金王坂クリニックにて非常勤医。メンタルやストレスに関しての治療を得意分野とし、疲労、更年期の悩みなどに対して、精神薬だけでなく漢方を取り入れて治療を行っている。また、アスリートへのメンタルサポートにも注力し、東京パラリンピック ブラインドサッカー日本代表のメンタルアドバイザーとしても活動中。

最終更新:2020/03/07 20:30
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