老いてゆく親と、どう向き合う?

音信不通の父が脳梗塞に――ゴミ屋敷暮らしの母を看取った一人息子、「親の身勝手」とこぼす理由

2020/03/08 19:00
坂口鈴香(さかぐち・すずか)

「逆玉の輿だ」とやっかみ半分で冷やかす友人もいた

 小田さんは、理恵子さんとの結婚を機に、心機一転ゼロから人生をやり直そうと決めた。

「母も亡くなったし、私も地元にしがみついていても仕事が見つかるあてもない。都心に引っ越せば、地元にいるよりは仕事があるだろう。もし仕事がなかったとしても、彼女には手に職があるので食いはぐれることはないでしょう。そうなれば私が主夫業をして、彼女を支えてもいいと思ったんです」

 小田さんのことを心配していた友人たちも、小田さんの遅い春を心から祝福してくれたという。ほとんど接点のなかった母親なのに、「最期まで責任をもって介護したご褒美だ。神様はちゃんと見てくれていたね」と我がことのように喜んでくれた友人もいたし、「逆玉の輿だ」とやっかみ半分で冷やかす友人もいた、と寂しく笑う。

 寂しく、というのには理由があった。“逆玉の輿”どころか、小田さんには結婚前よりもっと厳しい現実が待っていたからだ。

 小田さんは逃げるように地元を出て、理恵子さんのもとに向かった。

「母が死んで間もなく、また役所から連絡が来たんです。今度はずっと音信不通だった父が、脳梗塞で倒れたというものでした……。やっと母の介護が終わって、彼女と人生を再スタートしようというときに、今度は父。これ以上、身勝手な親に振り回されるのはごめんだ。もう生活保護でもなんでもいいので、役所で好きなようにしてほしい。私はもう引っ越すので何もできない、と言って急いで引っ越したんです」

――続きは3月22日更新

 

坂口鈴香(さかぐち・すずか)

坂口鈴香(さかぐち・すずか)

終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終末ライター”。訪問した施設は100か所以上。 20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、 人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。

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最終更新:2020/03/19 18:43
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