深谷耳鼻咽喉科クリニック院長・深谷和正先生インタビュー

新型コロナウイルス流行で大打撃! 2020年花粉症シーズン「マスクがないとき」の対策を耳鼻科医に聞く

2020/02/24 18:00
深谷和正医師
TSUKI KENさんによる写真ACからの写真

 新型コロナウイルスの感染拡大により、現在、日本全国で「マスクが手に入らない」という問題が生じている。そんな中、花粉シーズンに突入し、「どうやって花粉を防げばいいんだ」という花粉症患者たちの悲痛な声が聞こえてくる。「マスクがない」という状況の今、どのような花粉対策を行うべきなのか。今回、深谷耳鼻咽喉科クリニック院長の深谷和正先生にアドバイスをいただいた。

花粉症の対策には「鼻の入り口にワセリン」

 まず、今年の花粉飛散量について、「去年の夏がそこまで暑くなかったため、例年に比べて少ないとされています」と深谷先生。ただ、今季は暖冬ゆえに、「“おバカなスギ”が例年より早めに花粉を飛ばしているようです」という。

「花粉症は、花粉に対して免疫が過剰に反応することによって起こります。もともと花粉症がひどいという人は、年末頃から症状が出ているといいますが、一方で、飛散量が大量でなければ症状が出ない人は、今シーズンはつらくないかもしれませんね」

 では、花粉症対策というと、真っ先に思い浮かぶのが「マスク」の着用だ。厚生労働省公式サイトの「花粉症特集」内にある「はじめに ~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~」のページを見てみると、花粉症のセルフケアとして、第一に「ご自分でできるセルフケアとしては外出時にマスク、めがねをして、原因の花粉を少しでも体の中に入れないようにする努力が必要です」と紹介されている。マスクは対策の要とも言えるが、果たしてこの効果を深谷先生はどのように見ているのだろうか。

「実際は、花粉がマスクと顔の隙間を“通ってしまう”ことは普通にあるのですが、自身の呼吸によってマスクが湿気ることにより、そこで花粉をキャッチし、体内に入れないという効果は期待できます。そう考えると、やはりマスクは大事だなと感じますね」

 しかし、現在そのマスクが品薄状態に陥っている。「マスクがない」という状況下で、我々はどのような対策を取るべきなのだろうか。

「何よりも、花粉飛散量の情報をチェックし、多い日は『外出を控える』ことでしょう。また外出した場合には、家の前で服から花粉を払うことも大事です。花粉が付着したまま部屋に入ると、室内で花粉が舞ってしまいます。花粉はなかなか目に見えないものですが、“全身”きっちりと払うといいと思います。あと、よく花粉対策にあがる空気清浄機については、ものによるのでは……という印象。本当にフィルターが花粉をキャッチしているものであれば効果は期待できるでしょうが、何とも言えないところです。やっぱり『外に出ないのが一番』ですね」

 さらに、マスクの代わりとして、鼻の入り口に“軟膏”を塗るのもいいと深谷先生。

「軟膏の成分は関係なく、例えばワセリンでOK。この軟膏が、花粉をキャッチし、体内に侵入するのを防ぐ効果が期待できます。もちろん全ての花粉が軟膏にくっつくわけではないものの、セルフケアとして実践してみるといいのではないでしょうか。ちなみに、花粉症の薬を服用できない妊婦さんに、薬局でワセリンを出してもらうこともありますよ」

 鼻の入り口にワセリンを塗る方法は、イギリスの国民保健サービス(NHS)でも推奨されているとのこと。ドラッグストアでは、鼻の入り口に塗布する専用クリームも販売さているが、「そういったものでもいいですが、ワセリンでも問題ないと考えます」という。

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