タランティーノ流が至る所に

ブラッド・ピット初のオスカー受賞作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』7つのトリビア

2020/02/16 13:00
堀川樹里(ライター)

脚本が流出しないよう厳重に対応:『ワンハリ』トリビア3

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 ラスト30分が予想だにしない展開となり、多くの観客を驚かせた『ワンス~』。タランティーノ監督は、流出を防ぐために、脚本をガッチリとガードした。撮影前に作った台本は、たったの1冊。その台本をレオナルドやブラッドらと契約する時に読ませたのだが、監督の目の前でしか読むことが許されなかった。

 その後も、台本をすべて通して読むことが許されたのは、主要キャストであるレオナルド、ブラッド、マーゴットと、プロデューサーのデヴィッド・ハイマンだけ。ほかの俳優に手渡された台本からは少なくとも30ページ以上が取り除かれ、展開が読めないようにした。

 タランティーノは以前『ヘイトフル・エイト』(15)の脚本がリークしたことが相当トラウマになっており、早い段階から脚本を金庫にしまうなどしていたため、今回は流出を防ぐことができたとも伝えられている。

オーディションで2度落とされたブルース・ウィリスの長女:『ワンハリ』トリビア4

 ブルース・ウィリスとデミ・ムーアの長女で、子どもの頃から両親の映画に出演するなど役者歴は長いルーマー・ウィリス。ハリウッドでは2世だからと優遇されることはほとんどないため、彼女も地道にオーディションを受け、仕事を得ている。

 『ワンス~』には是が非でも出演したいと強く思ったルーマーは、2つの役のオーディションを受けたが落選。「オーディションを受けられただけよかった。記念だと思おう」と気を取り直していた30歳の誕生日の3日前。「ある役を演じてほしい」と連絡を受けたそうで、「どんな役でも演じます!」と即答。こうしてマーゴット演じるシャロンの友人で、女優ジョアンナ・ペティット役にキャスティングされた。

 ジョアンナは、シャロンが殺害される前に彼女の邸宅を訪問していた、生前の彼女を最後に見た生き証人と伝えられている女性。出演時間は短いが観客の印象に残る役で、ルーマーは見事に演じた。ちなみにルーマーが同作で最初に撮影したのは、車を運転するシーン。タランティーノ監督は彼女をリラックスさせようと、「ブルース・ウィリスの娘さんなんだから、威勢よく運転してくれよ」と声をかけてくれたとのこと。彼女はタランティーノ監督について、50人を超える役者一人ひとりを気遣う素晴らしい監督だとたたえていた。

ぶっ続けて12時間オーディションを受けさせられたオースティン・バトラー:『ワンハリ』トリビア5

 カルト集団「マンソン・ファミリー」の一員で、シャロンを襲撃したグループの一人、テックスを演じたオースティン・バトラー。彼は、米業界紙「Hollywood Reporter」のインタビューで、同作のオーディションについて「どのキャラクターのオーディションを受けているのか知らなかったから、(最初のオーディションには)デニムシャツを着て行ったんだ。タランティーノ監督からは『いい人と悪い人と、それぞれ演じ、撮影して欲しい』と指示されてね」「そのテープを見た監督から、出演していた舞台の休演日にロスに来てほしいといわれて、月曜日に劇場から空港に直行してロスに飛んだんだ。数時間だけしか寝てない状態で、監督と1日中会うハメになってね。12時間、次から次へとさまざまなシーンを演じさせられたんだ」と説明。

 「通常のオーディションにかかる時間は20分程度。でも、この作品のオーディションは12時間も続いて、びっくりした。しかもオーディション終了後、すぐに『で、この役やる?』とオファーされ、即決してもらえたんだと、さらにびっくりした」と明かしている。

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ブラピとレオを共演させてくれてありがとう!
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