“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第494回】

鈴木杏樹、東出昌大の「庶民の娯楽」不倫とは異なる、高級官僚たちの「ドロドロ陰湿」不倫

2020/02/12 12:30
神林広恵(ライター)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 ピエール瀧に対する“ストーキング的”取材を相方・石野卓球に暴露された「女性自身」(ほかワイドショーも含む)。しかも、取材依頼の手紙はピエールにおもねっているとしか思えないもの。芸能マスコミの一旦が生々しく暴露された面白い事態だった。

「女性自身」(光文社)2月25日号

第494回(2/6〜2/10発売号より)
1位「鈴木杏樹 4千円ラブホ不倫に秘めた覚悟『略奪愛でも、再婚したい!』」(「女性自身」2月25日号)
2位「小泉今日子 不倫恋人と『交際5年目の隙間風』!」(「女性自身」2月25日号)
3位「Matt 『頼りは父・桑田真澄』の切実理由――『美容代は年500万円』!」(「女性自身」2月25日号)

 またしても大物芸能人の不倫が発覚した。報じたのはもちろん「週刊文春」(文藝春秋)で、鈴木杏樹と俳優・喜多村緑郎。喜多村のことは知らなかったが、その内容は衝撃的だった。千葉の海辺でコンビニで買ったパニーニを食べ、4,000円のラブホに! 「女性自身」も続報を報じているが、これが意外なもの。既婚者である喜多村は今回のことで離婚は間違いないとしながら、報道直前は再婚も考えていた杏樹は、深く反省し、今後の交際はやめるというものだ。

 なんだか騒動の火消しに走っているようだが、本当か? 何しろ杏樹の出した“謝罪コメント”はかなり前向きというか挑戦的。「お相手から独り身になるつもりでいるというお話があり」とか「まだお別れが成立していない現状」とか、何か強い意思さえ感じるものだったから。まあ、いいんじゃない。そこまで決意したならね。芸能界でも世間でもこんなケース山ほどあるし。

 しかも杏樹は昨春、情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)を降板している。同時期にはドラマ『相棒』(テレビ朝日系)も。もしかして、今回の事態を想定していたのか!? 関係者に迷惑をかけないための最低限の布石か!? そんなふうにも思えてくる。

 しかし昨今、不倫をするとここまでバッシングされる(しかも道徳的に)というのは、かつてはなかった現象だ。杏樹の件を、ワイドショーも大はしゃぎで報じていたが、 しかし今、問題視しなければならない不倫があるはずだろう。そう、国会でも問題となっている菅官房長官の最側近・和泉洋人首相補佐官と大坪寛子・厚労省大臣官房審議官の“出張旅行”不倫だ。京都、インド、ミャンマー、中国、フィリピンに一緒に出張、京都ではかき氷を“アーン”と食べさせている様子や、インドでは内部がドアでつながっている部屋に泊まっていたと報じられている、政権に近い“高級官僚たち”同士の不倫だ。しかも、この不倫関係は人事や政策にも影響し、さらに公費、私たちの税金を使っての“不倫”劇である。芸能人のそれとはわけが違う。

 しかしマスコミ、特にワイドショーは東出昌大、杏樹についてはバッシングするくせに、和泉&大坪については本当にささやか。なんだかな。作家の林真理子先生は芸能人の不倫について“庶民の娯楽”だと指摘していた。だが、和泉&大坪に関しては娯楽にさえならず、もっともっとドロドロと根が深いし陰湿だ。しかも安倍政権に近い官僚だから、触れづらいというマスコミの忖度事情もある。

 そう考えると、今回の鈴木杏樹の不倫・略奪への決意(勝手にそう思っている)はある意味清々しい気さえしてくるのだ。

週刊文春 2020年 2/13号 [雑誌]
どうでもいい不倫と、どうでもよくない不倫
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