[THE筆跡鑑定ファイル]

沢尻エリカをプロ筆跡鑑定人が読み解く! 自筆コメントから「悪の道」と「依存傾向」が明らかに

2020/02/11 21:00
牧野秀美

自分の感情に忠実に行動

――今回の裁判により10代のころから薬物を使用していたことが明らかになりました。依存的な傾向についてはどうでしょうか?

牧野 先にも触れていますが、全文手書きのお詫び文での名前のサインは、2019年12月のサインと比べると気合が入っています。逆に言うと、普段は、楽しいことに流されやすく、信じている人には無防備になってしまうようです。レイアウト的には、(7)行がうねって書かれているのは、自分の感情に忠実に行動したいことを表し、文字の間隔が広かったり狭かったりとバラバラなのは、のんびりだったり急にせっかちになったりと行動のパターンが一定していないことを表しています。

 つまり、沢尻さんは、オープンな気質ではないため、自前の豊かな感情の動きのコントロールが苦手のようです。年上からはかわいがられる傾向があるため、苦手な同年代と付き合うよりも楽なほうを選んだのでしょう。それが自らをさらけ出すのが苦手な不器用な性格と合わさることで、悪い道であると感じていたとしても、その世界に逃げてしまっていたのかもしれません。

持って生まれた女優運で資質は申し分なし

――最近は、母親役など落ち着いた役柄も多くなり、今年は芸能生活20年で、大河ドラマに初出演し、重要な役を演じる予定でしたが……。

牧野 沢尻さんは、左払い、右払いの両方の払いが長く書かれています(1)。これは、女優運といって、自分を華麗に演出し、見られることで感情移入ができるのです。今までに取り上げてきた女優さん達も持っている特徴です(広瀬すずさん)。最近の演技は、沢尻さんの孤高のプライドや、内省的な面が女優業に反映されてきていたように思えていたので、非常に残念でした。先にも触れた、感情に忠実に行動する面もここに加わることで、女優として申し分のない才能を発揮できたはずです。

柔軟な思考を身につけることが復帰のポイント

——裁判で、女優復帰は考えていないと発言していますが、更生できるのでしょうか?

牧野 少し気になるポイントがあります。あまりにも文章の文字間の間隔がバラバラであることと、(6)「償い」の字にみられるように、へんとつくりの間が広くなっている文字も少なからず混在していることです。

 一方、前回取り上げた嵐の二宮和也君は、自分の気持ちが伝わるようにレイアウトもきちんと考えて書かれています。特にこのへんとつくりの空間部分は、その人の気質に反映しているので広い人は広く、狭い人は狭く一定して書かれるものです。それが混在していることは、つまり、心の傾向と行動傾向が一定していないことを表しています。このような不安定な状態では、根本的な内省はできないと思われるのです。

 沢尻さんは、もともと真面目な性格です。それが、柔軟に情報や人の意見を取り入れることができない融通の利かない性格となっているようですので、余計に自分の考えや「~するべき」論に縛られてしまうとつらくなって自分を追い詰めてしまったり、誘惑に負けてしまったりすることが考えられます。すぐに白黒つけないで、あいまい部分を飲み込むような柔軟な思考を身につけることが復帰のポイントと思われます。

牧野秀美(まきの・ひでみ)
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

最終更新:2020/02/12 09:10
自分のイヤなところは直る!/牧野秀美
ただ汚い字というわけではなかった
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