“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第492回】

東出昌大のケースに見る「不倫で炎上する原因」と、瀬戸内寂聴が語る“不倫のマナー”

2020/01/28 21:00
神林広恵
「女性自身」2月11日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 バラエティー番組『欲望の塊』(TOKYO MX)で優勝賞品の超高級車が出演ホストに届かなかった問題で、番組企画担当の男性が自殺するという衝撃的な事態に。しかし今回の問題を機に、トークバラエティ番組『ニュース女子』(YouTubeほか、一部地域でテレビ放送)などでも指摘された“スポンサー買い取り丸投げ番組”の問題、対応についての議論が必要ではないか。

第492回(1/23〜1/28発売号より)
1位「『不倫発覚』東出昌大は円形脱毛症に――杏 『離婚はしない』苦悩選択に(秘)事情」(「女性自身」2月11日号)
2位「米倉涼子 アルゼンチン人ダンサー恋人と『情熱の一夜』」(「女性自身」2月11日号)
3位「木下優樹菜 『縦読み不倫』メッセージの相手“疑惑のたかし”スペインの言い訳!」(「女性セブン」2月6日号)

 またしても「週刊文春」(文藝春秋)の衝撃のスクープで大騒ぎとなっている世間と芸能マスコミ。そう、東出昌大の不倫、別居報道だ。誰もが知る有名女優・杏を妻に持ち、オシドリ夫妻とされていた東出が、“イクメン”などと持ち上げられていた東出が、まさかの不倫。しかも妻の妊娠中に共演女優と――。このギャップが多くの人に驚きと怒りをもたらした。これぞ週刊誌報道の王道といった記事だった。

 その後も、東出の“育児しないぶり”や“ほかにも浮気”情報、さらにモラハラ情報へ加え、相手女優の唐田えりかがSNSなどの“匂わせ女”だと指摘されるなど、騒動はヒートアップしているが、そんな中での「女性自身」の後追い記事もなかなか興味深い。まず、昨年11月14日の父・渡辺謙の誕生日パーティに杏は3人の子どもを連れて参加したが、東出は不参加だったことを指摘。さらに報道直前には、自らの所属事務所社長にも夫の不倫について相談していたことを明らかにしている。

 つまり、東出の不倫は渡辺謙、そして所属事務所社長も承知していたということだ。渡辺の所属事務所は周防郁雄率いるバーニングとつながりの深い大手芸能プロであり、芸能マスコミにも絶大な影響力のあるコワモテ事務所として知られるケイダッシュ、さらに杏の事務所はこれまたナベプロ創始者の次女・渡辺万由美が代表をつとめるトップコート。これでは勝てるわけがない。ワイドショーがこぞって東出を攻め立てるのも当然だ。

 さらにもう一つ、世間が杏に同情し、東出を糾弾するのは単に東出個人の浮気ばかりが原因ではない。記事でも指摘されているが、杏の幼い頃からの境遇が影響している。幼い頃、父親の渡辺が白血病となり、それがきっかけとなって母親が宗教や借金問題を起こし泥沼離婚。母親についていった杏は、生活費などのためにモデルに――。こうした杏の幼い頃からの事情を多くの人が知っている。だから東出と結婚し、子どもも生まれ、幸せな家庭を築いたはずの、そして父親とも和解した杏を応援していた。なのに――。

 しかも東出の外ズラだけ見ていると、いい夫、いいお父さんって感じだからね。騙された感も大きい。

 さらに、ここにヒールも加わった。東出のお相手女優の唐田。清純派女優といわれながら、裏ではいろいろやってくれちゃって、本気で東出を奪おうとしてたようにも見えるから。そう考えると不倫で炎上するケースの原因のひとつは、ギャップにあるのかも。オシドリ夫婦、イクメン、清純派女優といった世間の評価から一転、嘘つき、モラハラ、略奪女という乖離。

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寂聴先生も匂わせはダメだって
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