プウ美ねえさんのエプロンメモ

「猫を飼うことの良い点は?」プウ美ねえさんが説く「いることだけで最高」という真実

2020/01/31 16:30
熊田プウ助(マンガ家)
(C)熊田プウ助

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

<今回のお悩み>
「夫が『猫を飼いたい』と言い出しました」
 プウ美ねえさん初めまして。夫が先日「猫を飼いたい」と言い出しました。私は猫嫌いではなく、どちらかというと好きな方なのですが、これまで動物を飼ったことがなく、猫のいる生活というのが想像できないため、あまり乗り気ではありません。しかし夫が「どうしても」と言うので悩んでいます(夫も子どもの頃、熱帯魚を飼っていたことはあるそうですが、犬や猫を飼った経験はなし)。

 最近では猫カフェなどもあるので、そういったところに行くのではダメなのかとも思うのですが、「猫を家で飼う」ということの良い点を、ぜひプウ美ねえさんに教えていただきたいです。(えりえり、34歳) 

【プウ美ねえさんの回答】
 しょうしょう申し上げにくいことですが、「猫を飼うことで良い点はあるか」とおたずねになるかたの家に、猫はいくべきではないと思います。すべての猫は、「人間が飼うことで猫にどんな良い点があるか」と考えるひとのところに住むべきです。木造船で航海するためのネズミ退治用とか、魔女の修行に必要だとかいう場合はぞんぶんに活用なさればよいでしょうが、ご相談者様が現代の日本にお住まいであるならば「利点がないとしても愛でずにいられない」お気持ちで飼っていただきたいものです。

 また、ご夫君がご自分の責任とご経済で猫の食事、医療、お手洗いの管理、破れた壁紙ソファカーテンの修繕等を担当されるのなら、とくに猫を大好きでなくても同居ぐらいしてもよいのではないでしょうか。人間のお子様だといささか問題がありますが、ペットは各人が別個に愛でてもまったく問題ないのです。家族全員で絶対に愛さなくてはいけないという掟はありません。逆にご夫君が世話をさぼりそうだとか、世話するための費用の分担をもちかけそうな気配があるのなら飼うのをとめましょう。喧嘩の元になりかねません。「寿命をむかえるまで自分一人で面倒をみる」と念書をかいていただきたいです。

【今月のエプロンメモ】
おねえさんの家にいるお嬢さんは、過去に同居した男が突然購入して連れてきた子です。おねえさんは一瞬も、「返品」とか「自分が面倒をみない」とか「一生お仕えしない」ことを想像しませんでした。会った瞬間に彼女の下僕として生まれてきたことを思いだしたからです。猫はなにが「良い」かではなく、「いる」ことだけで最高です。もちろんお嬢さんが幸せかどうか本当のところはわかりません。神の心情は下僕風情が知るところではないのです。

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熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

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Twitter:@kumadapoohsuke

最終更新:2020/01/31 16:30
本日もおひとりホモ。 中年マンガ家生活
猫の下僕となれる幸せ……
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