インタビュー

「拭き取りメイク落とし」は“たわし”で肌を擦っているも同然! 上原恵理先生がズバリ斬る

2020/01/15 21:00
サイゾーウーマン編集部
上原恵理先生

 雑誌やテレビ番組、インターネットで数多く紹介される“美容法”。その中には、医学的な根拠が証明されていないものや、「むしろ逆効果」というものまで存在しているようだ。
 
 自身のSNSで、ちまたに広がる真偽不明の美容法に“鋭く”切り込み話題になっている、「表参道スキンクリニック」表参道院の医師・上原恵理先生に、5回に分けて“美容法のウワサ”を斬っていただく当連載。第1回目は「育乳」、第2回目は「鼻が高くなる方法」と「小顔マッサージ」についてうかがったが、第3回目となる今回は、忙しい女性の味方「拭き取りメイク落とし」について。一体、こちらのスキンケアに落とし穴はあるのか!?

拭き取りメイク落としは非常時以外使っちゃダメ!

――「拭き取りメイク落とし」は、忙しい女性にとって、手軽で人気のクレンジング方法ですよね。

上原恵理先生(以下、上原) 「拭き取り式メイク落とし」は、シートで擦ることになるので、肌に負担となります。肌への刺激はシミやたるみの原因になりますから、ひとつもいいことナシ。シートの繊維が肌への刺激になって、たわしやヘチマで擦っているようなものです。拭き取り式メイク落としは、水を使用できない時や、災害時など緊急時用ぐらいに考えてください。ちなみに、一番のおすすめのクレンジング方法は、泡タイプの商品。肌に乗せて、こすらずに済むという優れものです。肌への“刺激”や“摩擦”に気を使うなら、「拭き取り」なんてもってのほかですね。

 また、美肌を第一に考えるなら、一切“日光に当たらず”、“触れず”、“動かさない”。これで、生まれたての赤ちゃんの肌を保てますが、それは不可能なので、日焼け止めを塗り、肌を擦らないようにスキンケアやメイクをするしかないんです。食事や会話など、日常生活で顔面を動かすのは仕方がないけれど、マッサージなどダメージを蓄積させないようにすることが、美肌を維持する基本。

――メイク落としの成分に含まれる「界面活性剤」も気になるところです。こちらも肌への負担につながるのでしょうか。

上原 界面活性剤は水分と油分を混ざりやすくし、メイクの汚れを浮かせて落とす役割を担っているので一概に悪いとは言えません。詳しく説明すると、界面活性剤には水になじみやすい親水基と、油になじみやすい疎水基という部分があり、その疎水基が油分(皮脂やメイク)と結合して汚れが落ちるのです。ただ、必要以上に皮脂を落としすぎてしまう可能性もあるので、しっかりと保湿するなどケアを行ってください。

――スクラブタイプの角質を落とす洗顔料なども、多く販売されていますが。

上原 そういう商品も、顔に使うのはオススメしない。そもそも、肌は一定のサイクルで生まれ変わるもの。これをターンオーバーというのですが、通常の洗顔だけで、古い角質は自然にはがれ落ちていきます。反対に必要な角質まで落とすと、乾燥を招くことも。ただ、ニキビができやすい人や、肌がゴワゴワしている人は、“過角化”といって、角質が厚くなりすぎていることがあるので、その場合は、美容皮膚科・皮膚科などでピーリングなどを行い、角質のバランスを整えて、ほどよい薄さにしてあげることが必要です。

――一般的にコットンを使って化粧水を塗ること勧められています。こちらも肌への刺激になるのでしょうか。

上原 “擦らず”に、滑らす感じやプレスするのであれば、いいと思います。ただ、パッティングも刺激になるので、あくまでも優しく抑えるように。私は「コットンに化粧水を吸い取られるのは、もったいない!」って思ってしまうので、使いませんけど(笑)。

――肌をこすると、色素沈着のリスクが高いとよく聞きます。そんなことで色素沈着が起こるのでしょうか? また消すことはどれぐらい難しいのでしょうか。

上原 バリバリ起こります! 年単位、そして美容医療は自費なので万単位と、高額になったり大変です。

――とにかく“擦らない”ことが重要なんですね。化粧水の塗り方によって、効果が変わることはありますか?

上原 油分が多いものは、手のひらの熱で少し温めて塗ってみてください。バターは硬いままより溶かした方が馴染みますよね。それと同じで、溶かすことで均等に肌に塗ることができます。

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