ジャニーズの俳優情勢2019

ジャニーズの俳優情勢2019――木村拓哉の圧倒的「面白さ」、ジャニーズWEST・重岡への「期待」

2019/12/30 16:00
成馬零一

――『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ』(宝島新書)などの著書で知られるドラマ評論家・成馬零一氏が、2019年のジャニーズ俳優事情を振り返る。

ジャニーズの俳優畑、不作の2019年

 今さら言うのもなんだが、ジャニーズ俳優としてはもちろんのこと日本の俳優で一番面白いのは木村拓哉ではないかと思う。それは彼が俳優・アイドルとして背負っているものが圧倒的に面白く、何を演じても、戦後最大のスター俳優であるキムタクの物語が、作品ににじみ出てしまうからだ。特にSMAP解散騒動以降に公開された3本の映画はどれも面白い。

 仲間を粛清した罪で“死ねない体”となってしまった剣士・万次を演じた三池崇史の映画『無限の住人』は、SMAP解散騒動でボロボロに傷つきながらもアイドルとして生きていかざるを得ない木村の孤独と苦悩が伝わってきた。映画自体は剣戟(けんげき)に特化しすぎてグダグダなところもあるが、画面の向こうに透けて見える彼の物語に圧倒された。

 嵐・二宮和也と共演した原田眞人監督映画『検察側の罪人』は、自分の正義を貫くために不正に手を染めてしまう検事を演じたが、その姿は、ヒットドラマ『HERO』(フジテレビ系)の主人公・久利生公平の“その後”を見ているようだった。『HERO』のチーフ演出だった鈴木雅之が監督した映画『マスカレード・ホテル』では、ホテルマンに扮して潜入捜査をする刑事を演じた。『HERO』の時は、ラフな服装で型破りな男だったキムタクが、客からの理不尽なクレームに丁寧語で対応しているのを見ていると、時代が変わったのだと感じた。

 3作に共通するのは、組織の中でがんじがらめになりながら自分の正義を貫こうとする姿と、時代に取り残された古い男という役どころだ。それは今年ドラマで演じた『グランメゾン東京』(TBS系)の主人公・尾花夏樹にも受け継がれている。

 パリで二つ星レストランを経営していた尾花は、ある事件をきっかけに逮捕され店が倒産。仲間と離れ離れになるが、3年後、日本で再スタートした尾花の元に、かつての仲間たちが集まるという物語で、どうしてもSMAP独立騒動の際にジャニーズ事務所の側に付き、結果的にSMAP解散の戦犯として扱われた木村拓哉の現状をなぞっているように思わされる。同時に、本作では時代遅れになった“キムタク”の姿をこれでもかと強調しており、まるで高倉健かクリント・イーストウッドかというヒーローになっている。つまり、時代の最先端を走っていた男が、時代に取り残された男を演じているのだが、それが「木村拓哉」という俳優にかつてない物語性と色気を与えている。

 かつての仲間が「新しい地図」として再スタートし、WEBを拠点にのして来ている一方で、旧メディアの“王様”として木村がドラマに出演し、中居正広はバラエティを主戦場にしている状況を見ていると、むしろ解散してバラバラになったことでSMAPの存在感が更に増したように感じる。ジャニーズに残った「木村拓哉」VS外に出た「新しい地図」という対立軸、何を考えているのかわからない「中居正広」という構図が際立つことで SMAPという物語が今も続いているように見えてくるのだ

むしろバラバラになったことでSMAPという神話はより強化されたように感じる。この物語性が機能している間は何を演じても面白いと言えるだろう。

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