女のための有名人深読み週報

安住紳一郎も苦言……「好きなアナウンサーランキング」は、なぜ女子アナの首を絞めるのか?

2019/12/19 21:00
仁科友里(ライター)

「好きなアナウンサーランキング」がもたらした弊害

 さらに、テレビをはじめとする数字至上主義の世界の人たちは、「この人を使えば、数字が見込める」という“裏付け”を欲するものである。その資料として一番使いやすいのが、ランキングではないだろうか。アナウンサーに関しては、オリコンや「週刊文春」(文藝春秋)が「好きなアナウンサーランキング」を毎年開催しており、これがまた女子アナたちを苦しめているように感じる。

 アナウンサーの立場からすれば、ランキングに名前が出ると、仕事に起用される率が高くなる。となると、名前を憶えてもらうためにも、テレビに出たときは、とにかくインパクトを得たいと思うようになるのではないだろうか。そのせいか、ある時期を境に、特に女子アナたちがタレントと同じようにキャラを立てる傾向が出てきた。そういう時代だから仕方ない部分もあるだろうが、これで名前が売れることはあっても、アナウンサーという技能の面でプラスになるのかは疑問である。

 テレビだと気づかないが、女子アナの原稿読みや発言を、ラジオや音声だけで(テレビ画面を見ずに)聞いていると、その技術力がわかる。はっきり言うと、ランキング上位の女子アナでも聞いていられない人はいる。ランキングに投票する人たちは、容姿やキャラを重要視するので、原稿読みのうまさを求めているわけではないと言われればそれまでだが、若いうちにアナウンサーとしての能力を高めないで、目立つキャラ作りばかりやっていると、いざアナウンサーとして大きな仕事を任された時に困るのは、本人ではないか。また、しっかり原稿が読めない女子アナが増えることで、タレントでも十分ではないかという“アナウンサー不要論”が出てこないとも限らない。これも彼女たちの首を絞めることになるだろう。

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