インタビュー

「セブン-イレブン」「ZOZO」「RIZAP」……2019年、企業スキャンダルの“主役”たちを考察!

2019/12/21 16:00
西本頑司

193億円の大赤字、「RIZAP」社長は硬派なヤンキー?

RIZAP公式サイトより

――最後に「RIZAP」についてお聞きしたいです。一時期、ダイエットのBefore→Afterを見せるCMが人気を呼び、有名企業になりましたが、19年3月の決算で純損益193億円の赤字を出し、経営危機がささやかれるようになりました。

西田 RIZAPの瀬戸健社長のインタビューを読んでいますと、「あ、この人、『クローズ』(秋田書店)とか好きなんだろうな」とわかります。具体的に言うと、硬派なヤンキーが「てっぺん取ったる」という心意気で、起業して大成功した……そういう匂いがプンプン漂ってくるんです。瀬戸社長のこうしたメンタリティは、RIZAPの代名詞となった強制ダイエットの“鬼トレーナー”にも通じているのではないかなと思っています。瀬戸社長に惹かれて鬼トレーナーが勝手に集まってきたとしたら、そりゃあ成功するでしょう。あそこのジムは「鈴蘭高校RIZAP組」みたいな感じなんですよ。

 そんな「鈴蘭高校RIZAP組」ですから、本業で成功すれば、他校……ではなく“他社”を締めにいくというのは、ごく自然な流れとなります。それでバカみたいに会社を買収しまくった。「ジーンズメイト」や「湘南ベルマーレ」「日本文芸社」なんかもワンパンで沈めて、今では86社を傘下に収めて巨大化しています。

――しかし、それが仇となって、赤字が膨らんだと言われています。

西田 瀬戸社長本人は、今度は贅肉ではなく、「赤字をむしり取れ」とか命じたのかもしれませんが、企業再建のできるような頭脳派社員が「鈴蘭高校RIZAP組」にいるわけありません。当然の帰結として破綻に向かっているというだけの話ではないでしょうか。

――これからRIZAPはどうなると思いますか?

西田 近いうちにハゲタカに食い散らかされる可能性は高いでしょうね。ライブドア事件のあと、堀江貴文さんもRIZAPのCMに出たじゃないですか。あんな感じで、新生RIZAPのCMに、瀬戸社長が、“元社長”として出演する未来は、十分あり得ます。瀬戸社長はムキムキマッチョ体形なんで、今のうちからブクブク太っておくのもいいでしょうね。その方がギャラも上がるでしょうし。

――『コイツらのゼニ儲け』でも、このようにさまざまな企業や著名人のビジネスモデルを考察していますが、ご自身でその面白さはどこにあると思われますか。

西田 知り合いの懐事情って興味あるじゃないですか。「あそこのご主人、どんなお仕事で、どのくらいお給料もらっているのかしら」という感じ。それを企業や著名人でやっているだけでして、基本下世話な内容です(笑)。暇つぶしに読んでいただければありがたいですね。
(文=西本頑司)

西田健(にしだ・けん)
1968年広島県生まれ。下関市立大学卒業後、男性週刊誌の記者や「噂の真相」(噂の真相)などを経てフリーライターに。書籍、雑誌を中心に活動する。現在、「紙の爆弾」(鹿砦社)で「コイツらのゼニ儲け」を連載中。

最終更新:2019/12/21 16:00
人は変われる。(RIZAP)
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