女のための有名人深読み週報

前澤友作氏と剛力彩芽の破局に見る、交際時の「あいさつ」を重要視しすぎてはいけないワケ

2019/12/12 21:00
仁科友里(ライター)

前澤氏はオスカーに「仁義を切った」?

 あいさつが意味を持たない例として、今、一番わかりやすいのが、破局した実業家・前澤友作氏と女優・剛力彩芽のカップルだろう。2人の交際が発覚したとき、ケタ違いの富豪と年齢差のある若い女優であることに加え、前澤氏が高級ワインを持って、剛力の育ての親とも言える事務所に出向き、社長にあいさつしたことが話題になった。元カノ・紗栄子との交際中には、こうしたあいさつを行った形跡がないことから、剛力とは「それだけ真剣な交際」、つまり結婚を前提としているのではないかと捉える人もいたのだ。しかし2人は、破局に至った。

 その破局の理由を、前澤氏は12月5日に出演した『直撃!シンソウ坂上』(フジテレビ系)でこう明かした。宇宙に行きたい、新事業を立ち上げたい前澤氏は、剛力に“ついてきてくれること”を望んだが、一方の剛力は仕事に力を注ぎたいという考えだったようで、2人の方向性にズレが生じたのだという。

 別に宇宙に一緒に行かなくても交際は続けられると思うが、それはさておき、同番組の司会・坂上忍は、「オスカー(事務所)に仁義切ったんでしょ?」と尋ね、前澤氏は「ごあいさつ、行きましたよ、何度も」「若い頃から育ててくださった恩のある事務所だから」と答えている。

 「仁義を切る」という言葉は、今はあまり使われないが、これは主に任侠や渡世人の世界で用いられる言葉で、「あいさつという行為」そのもの、また「あいさつの形式」を指すものである。古い任侠映画を見ていると、中腰になり、左手を上に向け、「お控えなすって」という口上を述べるシーンを目にする。なぜこのようなスタイルを取るかというと、「敵意がないこと」を示すためだという説がある。江戸時代は、仁義を切る際、右手で刀を背後に隠し、左手を前に出していたといい、左手が前にあれば、鞘に手をかけられない、つまり刀が抜けないので、いきなり切りつけるようなことはしないと、相手に示すことができるのだ。坂上にとって、交際している女優の事務所にあいさつに行く、つまり仁義を切るというのは、それだけの緊張感もしくは責任感があることだと感じたのではないだろうか。あいさつを責任の行使と感じるタイプの男性であれば、交際中のあいさつには「意味がある」可能性は高い。

 しかし、前澤氏はどうも違うタイプのようだ。事務所に何度もあいさつに行った割に、あっさり別れている。「若い頃から育ててくださった恩のある事務所だから」と言うが、その割に事務所が悲しむようなこと、つまり、剛力のイメージダウンとなる行動(インスタグラムに豪遊する写真を投稿するといった金満アピールなど)にストップをかけることをしない。言行不一致というか、責任よりも感覚で動いているようにも見える。その感覚がうまく時代にフィットすれば大富豪になれるが、一歩間違うと「言ってることとやっていることが違う」「何をしたいのかわからない人」だと周囲は感じるのではないだろうか。

 2人の破局は、「交際時のあいさつは重要視しすぎてはいけないこと」以外に、前澤氏のウィークポイントをも浮き彫りにしたように思った。

 いずれにせよ、こういう時代の寵児と長期間交際し、安定した関係を築いていくのは難しそうである。剛力もさぞ大変だったであろうが、前澤氏がまた別の芸能人との熱愛で世間を騒がせるのは、そう遠くない気がしてならない。

仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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Twitter:@_nishinayuri

最終更新:2019/12/12 21:00
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