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大好きだった姉が、子宮系を信じてまるで別人に。絶縁状態の結末

2019/12/03 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 子宮系女子たちが長崎県の壱岐島へ集合しはじめていることに起因する出来事について。前回は謎物件ウォッチャー3名で、その問題についての雑感をあれこれとお届けしました。
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 今回はそこから派生した「壱岐移住者の家族」体験談です。

 当連載ではこれまでに、科学的根拠のないおかしな健康法や、キラキラ系自己啓発物件などに身内がハマってしまう体験を語っていただく〈身内がトンデモになりまして〉シリーズをお届けしていますが、これまでの全9エピソード中、子宮系女子にまつわる体験談は今回で4回目。子宮系ウォッチに特化しているわけではないのですが、こういった大変さを語る場所の少なさが現れてるのでは……なんてしみじみ実感させられますね。

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 今回お話してくれたのは、実の姉が数年前から子宮系女子トップである八木さや氏(元・子宮委員長はる)に傾倒しているというOさん。姉は現在、八木さや氏の指導する「自分ビジネス」に集中するという理由で壱岐島に引っ越して、絶縁状態。まさに子宮系女子が巻き起こす話題の出来事の、渦中にいるようです。

離婚後に、トンデモの世界へ
Oさん(以下、O)「今は姉と絶縁関係に近い状態にあるため近況はわからないのですが、先月までの私が見ていた姿と、八木さやへの違和感についてお話できればと思います。

 私たちは2人姉妹で、両親は離婚後にふたりとも亡くなっています。姉は父が亡くなるころにDV夫と離婚し、わずか2年の結婚生活を終えました。その後、地元の自然食講師をしている人と仲よくなり、セラピスト系の民間資格を取得。いろいろな場所で出店したりはするものの、関連商品の販売だけで生計が成り立つはずもなく、そういったあたりから『子宮を大事にさえすれば金運が高まる』というようなことを謳っていた子宮委員長にハマっていったのだと思います。2017年の年末、子宮委員長が八木さやに改名する前、八木龍平氏との披露宴イベントをやっていたあたりでしょうか」

 Oさん曰く姉は昔から堅実にコツコツ……といった貯蓄は苦手で、金銭的に困窮すると人に無心。一方、完璧主義的な面もあり、ヒステリックに他者へ手をあげることもあったと言います。

O「そんな姉にとっては、子宮系特有の言葉が魅力的だったのでしょう。『嫌なことはすべてやらなくていい』『やりたくないことを手離せ』『お金は必要な時に必要なだけ、どこからか入ってくる』といった都合のよい言葉です。それを自分で実践するだけには留まらず、私にまで強要してくるように。都内で行われる子宮委員長のセミナーに誘われ、興味がないと断ると『そんなだから、いつまで経っても幸せになれないんだよ』と説教するんです」

 その手の物件にハマると、テンプレのごとく手を出しはじめるのが、ブログの開設やイベントの出店。Oさんの姉も、同様だったよう。

O「『はるちゃん』が姉の商品をブログで紹介すると、読者が一気に増えたそうです。すると雑貨を出店する子宮系イベントで、来場者から『ブログ見ました!』と声をかけられる。それに優越感を覚え、『まるで芸能人にでもなった気分(笑)!』なんてはしゃいでいましたね。姉のブログを読んでいるのはたぶん、子宮系女子だけなのに……。元々自分勝手な性格ではありましたが、子宮系にハマってからさらに痛い人となっていった姉。次第に子宮系女子以外の友だちがいなくなりました」

 姉が子宮系の沼を突き進むにつれ、次々とOさんの耳に届くのは、八木さや氏の主張のおかしさだけでなく、がめつさや気まぐれさがよくわかるエピソード。ぶっちゃけ体験した本人ではないので証拠はありませんが、Oさんが姉から聞いた話によると……。

無責任な移住支援を信じて
O「今年の3月ごろだったでしょうか。姉が八木さやから注文を受け、後払いで約6万円分の商品を発送したけれど、その支払いがされなかったそうなんです。私から見ればそれは立派な詐欺だと思うのですが、姉は『支払いがされないんだけど』『払ってもらえるかなぁ……』とぼやいた後『そのことはもういいの!』と泣き寝入りしてしまったようです。次第にどんな話をしていても、さやちゃん、さやちゃん、さやちゃんがねぇ、ばかり。そしてついに今年の6月、壱岐島への移住です」

 前回の座談会でも触れたとおり、八木さや氏は現在、壱岐島在住。そこで「自分ビジネス」なる情報商材を販売し、移住支援もはじめています。信者となったOさん姉は、どんな支援を受けたのか、その内容も聞いてびっくり。ひとことで言うと「無責任」。

O「はじめは自力で住まいを探していた姉でしたが、貯蓄も保証人もない自営業に家を貸してくれるところはなかったようです。だからと言って壱岐島に住むことをあきらめられず、家を見るだけでも……と島へ訪れると、八木さやに『保証人になる』と申し出てもらえたんだとか。『大好きなさやちゃん』からの思わぬサプライズに、大泣きして喜ぶ姉。そして八木さやが保証人になることで審査も無事通り、壱岐島への移住が決まったのです。

 ところが。最初の話では『払えるようになるまでは、家賃はいらない』と言われていたのに、引っ越し数日前になると『自分で支払いをしなければならなくなったから、支払いがちゃんとできるか不安』と言い出したのです。約束が反故にされたこと以前に、壱岐島という小さな島で家賃9万というのも驚きです。どう考えても高すぎると思いません? 私が夫婦で住んでいる千葉のマンションですら、駅から徒歩20分内でほぼ同額ですよ」

入院した妹に放ったひと言
 大手賃貸情報HPを見て見ると、壱岐市の賃貸情報はほぼなし。地元の不動産屋のHPを見るとかろうじて1DK(29.12㎡)のマンションが1室、月5万円と表示されていました。ちなみに3DKの戸建て平屋は、月5万3千円。さすが「子宮の霊視」を15万円でやっていた猛者だけありますね。「自分が携わる」という付加価値を盛ることに、相変わらず躊躇がない。

O「姉はSNSには『壱岐島は住むのに素晴らしい島!』と書きながら、私へは『こっちはおいしい食べ物が全然ないから、何か作って送って!』と連絡をしてきていました。なんで私があんたのために食費と送料出して、わざわざ時間と手間もかけて料理を送らなきゃいかんの? と、頭にきましたが『お金払うから』と言われて一度だけ送りました。しかし後日支払われたのは送料より少ない金額。やっぱりな、という感じです」

 不幸は重なり、姉の移住後に突然祖父が他界。すると葬儀はすべてOさんへ丸投げ。かと言って雑務をこなせば「そんなに自分のペースでやりたいなら全部ひとりでやってよね! こっちにはこっちのペースがあるんだよ!」と逆上するなど、手をつけらない状況になったといいます。Oさんはさまざまなストレスが重なったからか、薬を大量摂取し、救急車で運ばれる事態に……。すると姉は「自分ビジネスを邪魔された」と激高。夫が現状報告のために連絡をしても、「そっちでなんとかして」と言い放つ始末。

O「退院した日は1時間ほど電話で怒鳴られましたね。『あんたが幸せにならないと周りの家族が迷惑するってこと! いい加減、いつまても男にすがってんじゃねぇよ!!』と。血のつながった身内で、ましてや関係性の近い姉妹が、どんな理由であれ生死を彷徨ったとき、真っ当な人間が『ビジネスの邪魔をされた』なんて言えるでしょうか。夫が連絡したのも、あくまで報告だけで、何かしてくれと要求したわけではありません。まったく話が通じなくなっていて、愕然とします。

 子宮系が促す『自分を愛せ』『我慢はしたら毒!』というテーマはまるで『自分のすることは犯罪でも何でも全て正義』と言わんばかり。世の中の人たちが全員我慢することを本当に辞めたら、世界中で犯罪が当たり前になるのでは? とずっと思っています。少なくとも確実に、彼女たちのワガママの周囲には、たくさんの犠牲がありますし。

 八木さやは『男に振り回されてはいけない』と主張しているようですが、自身が今現在70代の『彼氏』にいろいろとやってもらい、その人の言葉で号泣したりしている姿を見ると疑問しかわいてきません。結局何の軸もなく、ブレッブレな人間。なぜそんな人の言うことを絶対視するのか本当に不思議でなりません。狭いコミュニティのボスには逆らえない現実もあるのでしょうか。姉が私に『どうしよう……』と相談してくるときはたいてい、八木さやの機嫌を損ねたかどうかという話。『こないださやちゃんにこういうメールを送ってから返信がないんだけど何かやらかしちゃったかな』なんて具合です。返事のないことでそんなに怯えなくてもと、不思議に感じています」

「すべて妹の生霊だった」
 そんな経緯を経て、現在は姉と絶縁状態に。

O「自分のことは棚に上げて、他者はどこまでも否定する姉に嫌気がさし、『あなたのご機嫌をとるために、いつもビクビクしながら言葉を選んで話すことに疲れた』と伝えたのが最後です。もう八木さやの言葉しか彼女の耳には届かないと思い、お互い最低限の必要事項以外の連絡はしないことになりました。それから数日後、自分が悪者にされた、あれはすべて妹の生霊だった、と綴られたブログがあげられてましたね。会話が成立しなくなり、向こうの言葉に共感しなければすぐに逆上して『他人の言葉には、耳を傾けない』と拒絶される。幼いころ大好きだった姉は、今や大嫌いな姉へと変わってしまいました」

 姉妹が絶縁となった出来事を、Oさんはこう振り返ります。

O「両親が亡くなり、長年付き合っていた婚約者にも捨てられ、結婚した相手からは暴力を受け友だちも少なく、姉はとにかくやさしくしてもらえる居場所がほしかったのかもしれません。きっと、そんな心の隙間に入り込まれたのだと思います。もともとの性格も含め、騙される側にも問題はありますが、子宮系のコミュニティに関わらなければ、姉はもう少しまともな人であれたのかなと思うと、とても残念です」

社会や家族との断絶
 心機一転人生を変えたいとき、移住という手段はもちろん悪くありません。しかしそれが怪しげな誘いだとすると、待ち受けるは地獄。この手の移住者たちは決まってキラキラブログを発信していますが、それがむしろ沼の深さを表すバロメーターのように思えてきてしまいました。

 今までこのシリーズで紹介してきた「身内が子宮系女子になった」エピソードは、もれなく「社会や家族との断絶」「倫理観や経済観念がおかしくなる」という問題がついて回るよう。そして家族にもたらされるのは、物理的な尻拭いや失望感。子宮系が放つ破壊力の高さを、ますます実感できるお話でした。

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最終更新:2019/12/03 20:00
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