インタビュー

大丸梅田店で「バイブが買える」時代に! 「iroha」に聞く、女性のセルフプレジャーはどう変わったか?

2019/12/07 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

尿漏れ対策で「iroha」を購入する人も!?

――「iroha」は2013年に誕生し、6年がたちました。大丸梅田店に常設店がオープンというのは、まさに女性のセルフプレジャーが日常のものと認識されるようになったからとも言えますが、実感としていかがでしょう。

本井はる氏(以下、本井) 男性に比べると女性のセルフプレジャーは、いまだタブー視されている向きが強いとは思いますが、確実に変わってはきています。我々がメディアの取材を受ける際も、当初は「へぇ、で、君は脱がないの?」と聞かれるなど、偏見の目で見られることが少なくなかったのですが、最近では女性の性欲やセルフプレジャーグッズを真面目に取り上げてくださるメディアが増えました。また女性誌だけでなく、NHKの番組や「朝日新聞」など、幅広い視聴者/読者層のメディアでも扱っていただけるようになっています。

――「iroha」が、その変化の一端を担ってきた部分もあるのでしょうか。

犬飼 「iroha」は女性自らが手に取りたくなるものを目指して開発され、性器を模さない、日常に溶け込むようなデザインになっています。あと、爪が長くても押しやすいスイッチにするなどの工夫も凝らされているんです。こうした点が、これまでの男性が女性に使って楽しむ“エロいもの”を想定して作られたアダルトグッズとは異なると思いますね。

――健康雑誌「ゆほびか」(マキノ出版)の8月号では、「心と体が超若返る!ウエストが劇的に細くなる!『ひとりエッチ』は薬だ!」という特集が組まれていました。「michikake」出店も含め、女性のセルフプレジャーが、ヘルスケアに近いジャンルのものとして扱われている印象ですが、そのことついては、どう思われますか。

本井 それもここ数年で変わってきたことの1つかなと思います。率直に、うれしいですね。海外だと、セルフプレジャーはすでにヘルスケアの一種として捉えられているんですよ。米国テキサス州で開催されている世界最大のクリエイティブビジネス博覧会『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』が、18年から「ウェルネスエキスポ」を始めたのですが、そこでは、セルフプレジャーグッズが、オーガニック化粧品や食品、アロマ、ヨガなどと一緒に、ヘルスケア用品として展示されていました。また、今年TENGAが、アメリカ在住の約1,000人(18~54歳)を対象に「ストレス解消に有効な方法」を聞いたところ、74%が「セルフプレジャー」と回答したことも印象的でしたね。

 日本で「セルフプレジャー=ヘルスケア」という空気が生まれつつあるのは、やはりうれしいことです。実際ポップアップストアには「膣トレ目的」でセルフプレジャーグッズを購入される方も結構いらっしゃいましたよ。骨盤底筋を強化するとセックスの感度が上がると言われているのですが、それ以外に「尿漏れ対策」として興味を持ってくださったようですね。

――「尿漏れ対策」は、まさに中高年の健康問題に直結していますね。

本井 広くデリケートゾーンへのタブー自体が薄らいでいる印象もあります。性は日常のものと認識されると、性の悩みや体の気づきについて、フラットに話せる空気が生まれると思うんです。そうすることで、性の知識が無いゆえに心身ともに傷つく人が減ったらいいな、とも思っています。先ほど、性に対する意識が変わりつつあると言いましたが、それでも日本の性教育が遅れていることは否定できません。TENGAが世界18カ国を対象に実施した「マスターベーション世界調査」で、日本人はマスターベーションを始める年齢が最も低年齢だった一方、学校の性教育でマスターベーションを習ったことがある人は最も少ないという結果が出ました。

犬飼 つい最近、大学生~20代前半を対象とした女性誌から「性のお悩み相談」を受けたのですが、その中に「セックスの後、コーラで女性器を洗えば妊娠しないって本当ですか?」という質問があって、とても驚きました。「絶対洗わないで!」って。なぜいまだにこういう質問が出てくるのかと言えば、やはりまだまだ性がタブー視されているため、正しい知識を得る場がないことが影響しているのかなと感じます。ネットを検索しても、セックスのテクニックばかりが出てきてしまいますからね。「iroha」としては、こうした状況を今後変えていけたらなと考えています。

(後編につづく)

最終更新:2019/12/07 16:00
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