読むほどに暗くなる……

【セレブ自叙伝・衝撃の話題作ベスト5】ホイットニーとの同性愛、ダグラス家の闇……

2019/12/08 18:00
堀川樹里(ライター)

キャメロン・ダグラス『Long Way Home』

 名優カーク・ダグラスを祖父に、セクシーな演技派俳優マイケル・ダグラスを父に持ち、大豪邸で生まれ育ったキャメロン・ダグラス。両親の離婚後は映画プロデューサーの母親に育てられたが、祖父、父と同じく俳優の道を歩む決心をし、1997年にジャッキー・チェン主演の香港映画『ナイスガイ』で銀幕デビューを果たした。『グロムバーグ家の人々』(03)では祖父、父、祖母と共演して大きな話題となるも、待望の主演映画『National Lampoon’s Adam & Eve』(05)が大コケしてからは、薬物事件で繰り返し逮捕されるようになり、10年には違法薬物取引で禁錮5年の実刑判決を受けた。

 裁判では、カークとマイケル、継母で女優のキャサリン・ゼタ=ジョーンズも嘆願書を出し、薬物を断ち切れるよう応援されたキャメロンだったが、収監中にも薬物を使用し、仮釈放は16年1月まで延びた。その後もマリファナ所持などトラブルを起こしているが、今はかなり落ち着いたとみられている。

 そんなキャメロンが今年10月、自叙伝『Long Way Home』を出版。セレブ一族の3世として生まれ、何不自由なく育った彼がどのように転落していったのかが、生々しく描かれている。

 「幼少期、父から『葉っぱを紙に巻いて、おじさんに渡しなさい』と言われて、お手伝いしていた。まだ小さかったから、それがマリファナだとは知らなかった」「もう少し大きくなると、近所の邸宅をのぞき見して、“美しい大人たちがやっている秘密のアレコレ”を目の当たりにするようになった」「7歳の時に母親から父が浮気していると告げられ、『どうしよう』と相談された」などと、映画に出てくるような非日常的な話をサラッと明かしている。

 さらには、「両親が離婚し、13歳で寄宿学校に入れられ、ホームシックに」「父のエロティックな映画(87年公開の『危険な情事』)が大ヒットしたことでいじめられた」など、悲しい思春期についても告白。寄宿学校でマリファナに手を出したキャメロンは退学処分となり、地元で悪い仲間とつるむように。「15歳でコカイン、17歳で覚醒剤、19歳で液状コカイン、26歳でヘロインに手を出すようになった」そう。彼の人生は、覚醒を溶かし、注射器で血管に打つやり方を覚えたことで大きく狂ったそうで、「打った途端、クスリが体中に回る。頭の中で鐘の音が鳴り響くような興奮と爽快感がある」と説明。その結果、1時間に2、3回打つほどの中毒者となり、痙攣を起こしながら毎回オーバードーズ寸前まで打っていたという。マイケルが「このままだと死んでしまう」と小遣いを制限したため、薬物を買うために盗みを働いたり、売人を拳銃で脅して薬物を奪ったり。最終的に売人となり、09年に逮捕された。

 薬物依存に陥ったことについて、「偉大な父・祖父の存在や、ハリウッドの重圧は関係ないし、環境のせいでもない。自分自身の問題」と断言している。キャメロンは、今も薬物断ちに励んでいる状態。17年12月に生まれた娘のためにも、そして交際3年目になる恋人のためにも、もう刑務所には戻らないと誓っている。

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