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無責任な教祖たちに踊らされる子宮系女子が、追い詰められたその先にある懸念

2019/11/20 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

「子宮系女子」のトップ・子宮委員長はる氏が引退宣言後に住居をかまえた長崎県の「壱岐島」。ここで起きている出来事についてを引き続き、お届けしてきましょう。雑談メンバーは前篇と変わらず、サイゾーウーマンで「教祖様注意報」なる連載を持つ、スピリチュアルウォッチャーの黒猫ドラネコ氏。同じく、以前より子宮系女子たちに注目しているマダムユキ氏。そしてわたくし山田ノジルの3名でお届けしていきます。

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 さて、今回この座談会的な集まりを設けたきっかけは、子宮委員長改め八木さや氏が、信者たちへ壱岐島への移住を呼びかけたこと。そこから派生し始めた信者たち周辺の困惑が、我々の耳に届くようになったのです。そこそこ注目を集めているのは、幼子2人を連れた無職のシングルマザー。八木さや氏の怒りに触れ、約束していた住まいと仕事を反故にされ、頼る人が誰もいない状況で放り出されたという出来事です。

 それまでも地元の神社に多額のお布施を奉納して突っ返されたり(神社の権威を利用したスピビジネスがしたかったのかな!)、市長選に出ると言いだしたりと常に燃料を投下してくれる存在ではありましたが、あまりに非情な振る舞いにざわつきが次第に大きくなってきた……というのが現状。

子宮系女子の経済活動
マダムユキ(以下、ユキ):八木さや氏は現在、移住支援を謳って島の不動産物件を買いまくっているようですが、彼女に関わる移住者たちってあの土地で労働するつもりは全然ないですよね。

ノジル:八木さや氏が売っていた情報商材「自己開示ビジネス」からの~セミナー!とかがせいぜい? あとはハーブティー売ってる方とかヨガ講師の方とかもいましたっけ。ツイッターで拾った情報では、島のおばあちゃんたちに布ナプキンを縫わせる仕事を委託する動きもあったようです。結局また子宮ネタですか! という呆れとともに、何も知らない島民をおかしなビジネスに巻き込まないでいただきたい。

ユキ:壱岐市の移住者に向けた情報を見ていると、漁業・農業・介護とかのお仕事ならありますよというようなことが書いてあるんですけど、とりあえず彼女らは誰ひとりとしてそれらの仕事にはつかなそう。今回注目されている妊婦さんのほかにも、やはり八木さや氏に叩き出された妊婦さんが現在も壱岐の島にいるようですが、結局彼女らの妊婦健診や出産費用を負担するのって、市ですよね。税金を納められるような人たちではなさそうだし、市のメリットって一体なんだろう。

ノジル:八木さや氏だけはかろうじて、それなりの税金を納められるのかな。ほかの子宮系移住者は、八木さや氏が展開するビジネスのおこぼれを多少預かるくらい? 閉鎖コミュニティで息苦しそう。

黒猫ドラネコ(以下、黒猫):おこぼれじゃなくても、自分も「自分ビジネス」とやらで八木さや氏みたいにやれる! って思っているのが異常なんですよ。ネットに顔出して名前出して、ようやりますよ。

ノジル:自分をさらけだして集客する自己開示ビジネス? 八木さや氏自身はそれでお金になったからいいかもしれないけど、一般の人がむやみやたらにマネするのはあまりにもリスクが大きいですよね。

黒猫:しかも八木さや氏だから可能な、特殊なやり方。再現性がなさすぎる。「あなたにもできる」とか、「老後も安心」とか、どうしてそんな根拠の薄いものを信じられるのか。

ユキ:ほかの移住者の方たちのブログとかもちらほら見てるんですけれども、自己開示! とか言って結局、自分のことを暴露してるだけですよね 。私生活とか。もともと稼げない人がさらに稼げない土地に行ってどうするって思います。やっぱり人が集まるところにお金は集まるじゃないですか。だから細々としたビジネスも、東京だから成り立つっていうのはありますよね。壱岐に移住して自分ビジネス? ちょっと無理がある。八木さや氏は、自分ビジネスだなんだと言う前から、長年オリジナルのメソッドを発信してきた、それなりの積み重ねがあるんですよ。短期でうまくいくと思ったら、大間違いです。

黒猫:しかもおかしな人って突き抜けますから、その強みもありましたね。例の妊婦さんは、追い出されたと騒いだ記事でその瞬間だけアメブロランキング1位になっていましたけど、だからって何になれるわけでもない。魅力があって見られているわけでもないし、オフィシャルブロガーでもないから、収益にも結び付きませんし。かといって、おかしなオフィシャルブロガーに、「集客力のあるインフルエンサー=お金を落とす価値アリ!」みたいなお墨付きを与えるのもやめてほしいです。

ノジル:島におかしな人たちが集まっておかしな情報をどんどん発信し、島のイメージもどんどん悪くなり……。まさに昨年10月にユキさんがブログで書いていらっしゃったような(長崎県壱岐島の悲劇)、現代の上九一色村神村(笑)。子宮系サティアンだ。

黒猫:それ、一部で我々のせいにされてるんですけど「変なイメージがつくから島の名前出すのをやめろ」みたいに言われても、いやいや八木さや氏のせいだから。私たちのせいじゃない(笑)。おかしなヤツらが移住したとしても、本当に「引退」して平穏なままなら何も言いませんよ。実際にhappy氏の縄文祭では島を荒らされて市議会で問題にもなりましたし、それが現実ですと言っている。フォロワーさんからもよくメッセージをもらいますが、壱岐市出身者や親族が住んでいるという方は島民と連絡をとっているみたいですよ。わからないままじわじわと侵食されて取り返しがつかなくなるほうが嫌だと、子宮系女子の動向をチェックしている方もたくさんいます。

ノジル:島の産業ともからまず、権威を利用しようとした神社からは奉納金をつっかえされて拒否され、閉鎖コミュニティが出来上がらないといいですね。子宮ファミリーで互助会とかないのかな。

黒猫:それこそ、村で恐ろしいことが起こるでしょうね。閉鎖されたコミュニティなんだから。

ノジル:しかもボス(八木さや氏)の機嫌を損ねると叩き出されますし、恐怖政治だな~。ほかにもユキさんと私のところに、移住者の家族より情報が届いておりますが、それはまた「身内がトンデモになりまして」シリーズでまとめることにして、詳細は次回に。

スピカルトは反グレ集団
ユキ:私はあくまで個人でブログ書いてるだけですので、それ以上のことはできないんですけど、こういったこまごまとしたトラブルが本当に燃え上がって落ちるには、まだ至っていない。生活が行き詰り自殺するとか虐待が通報されるとか社会問題化されてからはじめて、それなりのメディアがその背景を追いかけてくれるんでしょうね。

黒猫:白装束で踊って視覚的に不安を与えていたり、具体的に迷惑行為をしていれば別なんですけどね。ネット上での中身のないものの高額商売がそれほど問題として取り上げられないので今のところなんとも……。追い出された妊婦さん、周りが心配しているのに「大きなお世話!」とか反応するのってどうなのかな。「自分ビジネス」とやらが、そうやって強気で書くべしと、レクチャーしてるんでしょうか。

ユキ:本当に、息するだけでお金ってかかりますよね。なのに無職で妊婦で幼子ふたりつれて、今の状態がいつまで持つと思いますか? なぜ離婚した旦那さんは、子どもだけでも引き上げにいかないのか。

黒猫:世の中の夫は、そんな優しい人ばかりじゃないんですよ。おかしなものにかぶれて離島に移住する妻を迎えに行くような理解ある夫なら、そもそも妻が子宮系につけこまれなかったかもしれない。私の身内のときもそうでしたが、そんな人なら移住する前に目を覚まさせるように手を尽くしますし、幼い子どもやお腹の中の子のために意地でも離婚しないように頑張ると思います。ただ、そうしたうえでの結果なら外部は責めようがない。妻がおかしくなったことも含めて夫婦の問題ですから。ほかにも夫婦でおかしくなっているケースはありますけどね。

ユキ:私、カルト教団がヤクザだとしたら今のスピリチュアルカルトは反グレだと思っているんですよ。詐欺集団と同じでゆるく横につながっていて、誰も責任をとらない。反グレなら、ヤクザ系のほうがまだマシじゃないですか? 親分がいて下っ端の面倒を見てくれるから(笑)。

黒猫:大手カルト教団なら信者が施設に入れば、生活の面倒はみてくれるかもしれない。でも子宮教は実際なんにもしてくれないうえに、最後は自己責任。それでやっていけるよ! と呼びかけているのが無責任すぎて仕方がない。もちろん、カルト教団を擁護しているわけではありませんよ! それ以下、ということです。というか、龍とか宇宙とかいろいろ言ってますけど、現実に起きたいろいろなもめ事やトラブルだけ見るとスピリチュアリティのかけらもないですよね。

ユキ:私は「スピリチュアルビジネス」って、呼ぶことにしています。

ノジル:スピを持ち出すのはやっぱり、女性ウケすることに加え、語れることの自由度がはね上がるからじゃないでしょうか。

ユキ:今回の被害者も含め、そこにハマるのは夢から覚めない人たちでしょう。そりゃ私だって、乙女だった夢見る時代もあったんですよ。でも結婚出産が早かったこともあり、子育てしていると毎日が現実です。

ノジル:育児と夢はなかなか同居しづらいものがありますよね。24時間365日、現実。

黒猫:でもその現実を見なくていいよっていうのが、子宮教だったり心屋心理学だったりするわけですよね。無責任な言葉だと気づけずに背中を押されるんですよ。

ノジル:ところが今回の壱岐島事件で、現実の生々しい部分が噴出してきた。誰も面倒見てくれないし、教祖もどんどん暴走している。

子宮系への拭えない懸念
ユキ:そして貧しいものは、より貧しく。私は、いつか子宮系信者たちの子どもたちが親に売られはしまいかと懸念しています。今回バズった記事を書いたときにたまたま読んでいた小説、宮尾登美子の『櫂』に影響を受けすぎのようですが、以前からなんとなく、払拭しきれない不安を感じていました。

 八木さや氏を信じた母親たちが食い詰めて自分の体を売り始めるのは、まだいい。しかし、八木さや氏の言う「女は困ったら股を開けばいい」「子どもは商売道具」「養育費は子ども自身が自分で稼げばいい」「母親の幸せが子どもの幸せ」など、彼女たちの日頃の言動や倫理観では、貧困に追い詰められ生活が立ち行かなくなったときに、本人たちよりも高い価値を持つ子どもたちが犠牲にならない保証はないと考えてしまうんですよね。

ノジル:拙著『呪われ女子になっていませんか?』(KKベストセラーズ)の子宮系女子章で、子宮系の教えに従っていたら、修羅の国になるんじゃなかろうか……なんてことを書いたんですが、それが現実味を帯びてきたような気がしてなりません。平成の遺産とならなかった物件、これからもおふたりとご一緒にぜひ観察していきたいものです。とりあえず今回はこのへんで。またこのような機会を設けられると嬉しいです。本日はありがとうございました!

最終更新:2019/11/20 20:00
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