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子宮系女子たちが続々と移住。いま壱岐島で何が起きている?

2019/11/19 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 スピリチュアルビジネスを観察する人たちの間で、今注目度が高いスポットといえば長崎県の「壱岐島」です。当連載ではおなじみの「子宮系女子」のトップ・子宮委員長はる氏が引退後に住居をかまえ、あれこれ話題を提供し続けているからです。

 壱岐島といえば昨年末、スピビジネスを展開するhappy氏が主催した「縄文祭」でも、不名誉な注目を集めていました。イベントの一部がBSスカパーの番組「田村淳の地上波ではダメ!絶対!」で「理解不能」と取り上げられていましたね。ちなみにこのイベントをきっかけに、happy氏は壱岐市の観光大使を解嘱(直接的な解嘱理由は、別のイベントが公序良俗に反しているからとのこと)。

 その後、信者をシェアしあうポジションで活躍する元・子宮委員長はる氏(現在は八木さやに改名)が「壱岐市長選に出る」と語りだすなどの新展開を迎えた……という感じです。その野望の一端であるのか、地元の神社に一千万円を奉納するなどのパフォーマンスも繰り広げ、「この島が怪しい一派に、好き勝手されてしまうのか!?」と一部の島民たちを不安のどん底へ突き落しているようです(ちなみに奉納されたお布施は突っ返されてしまったようで、壱岐新報でも報じられた)。

 そんな経緯を経て、さまざまなボロが出始めているのが、今。元子宮委員長はシンパを集めコミューンでも作ろうとしているのか、壱岐島への移住支援をはじめた模様でありますが、その周囲でチラホラと被害者が現れはじめたのです。それは、子宮教崩壊の序章なのか? そんな現状について、私も含むウォッチャー3名でとりとめもなく雑談をしてみました。今回はその模様をお届けさせていただければと思います。

 雑談メンバーは、サイゾーウーマンで「教祖様注意報」なる連載を持つ、スピリチュアルウォッチャーの黒猫ドラネコ氏(参照:子宮委員長はる、次に狙うは「市長」!? “狙われた”長崎県壱岐市の危ない今)。そして同じく、以前より子宮系女子たちに注目しているマダムユキ氏(参照:見るのが辛い人)。

※それぞれのリンク記事は壱岐島でおこっている出来事の詳細が報告されていますので、ご興味ある方はぜひご覧くださいませ。

 さっそく始めさせていただきましょう!

妊婦追い出し事件
ノジル:さて、詳細はマダムユキさんが記事に書いてくださったとおりですが、元子宮委員長はる氏(以下八木さや氏)が壱岐島への移住を呼びかけたことに始まる今回の騒動を改めて。

マダムユキ(以下、ユキ):ざっくり言うと、家事も育児もつらく感じてしまっていた30代女性が引き寄せ系のhappy氏や八木さや氏に影響を受け「やりたくないことはやらなくていい」という子宮系の教えにハマり、壱岐島のイベントで八木さやに出会った興奮で移住を決め、実行。ところが部屋の引き渡しの際のふるまいが八木さやを怒らせてしまい、放り出されてしまったという出来事です。記事を書いた当初、彼女は妊娠4カ月で、幼子をふたり連れたシングルマザーでした。

ノジル:移住の呼びかけに乗ったのに、即放り出された妊婦さん。自称「存在がアート」でありそれが仕事だ! といってますが、ブログやインスタを拝見している限りでは無職のようですよね。「私レベルになると、怒りはアート」なる発言をしている子宮系女子もいるようで、彼女たちの言うアートって一体何を意味してるんだ!? と興味があちこち目移りしてしまう……。

ユキ:今回この妊婦追い出され事件を取り上げたのは、本当たまたま。あの日はブログを書く予定ではなかったんですが、朝に届いたフォロワーさんからの情報でびっくりして。そのときちょうど読んでいた小説が、女子どもが運命に翻弄されて犠牲になる~という内容の、宮尾登美子の小説だったんですよ。そこに「酷(むご)い」という表現が出てきて、今回の出来事に結びついたんです。裕福な生活をしていたはずの小さな子どもがふたり、無職の母親の気まぐれで突然見ず知らずの島に連れられて来て、住居も定まらず放浪している状態ですから。

ユキ:さらに偶然にも娘の学校で「低所得な家庭に対する支援をご存知ですか」というようなアンケートがあったこともあり、壱岐島に移住した方もこういうの知ってるだろうか? というのが回り回ってあの記事を書きました。もちろん、当事者たちは私のブログみたいのは読みたくないだろうけど、それでも周りの誰かが読み、何かあったときにこういう支援制度があるんだっていう話がちょっとでも届くといいかなと思って。そうしたらすごい勢いでリツイートされてしまい、びっくりです。

ノジル:子どもが犠牲になっているという点は、叩き出した側の八木さや氏本人もそんな感じに見えますし、ほかの子宮系女子も一様に、子どもや家族が振り回されているというようなタレコミが来ていますね。

黒猫ドラネコ(以下、黒猫):すごく、子持ちにつけこんでくるんですよねあの界隈は。自分の身内も、子持ちで子宮系にハマりましたが、なぜつけこまれていることに気づかないんだろうと思います。耳触りのいいことを言われて現実逃避し、周りが見えなくなってしまうのか。

ユキ:今回、記事が拡散されたときのリツイートにあったコメントを見ると「子宮系女子ってナニ?」「八木さやってだれ?」という方も少なくなかったんですが、それでもリンクを踏んで読んでくれた。それはやはり「子どもが酷(むご)い目にあっている」というひとことが大きかったのかなって。子宮系女子界隈のブログって、ポエムみたいで読み続けていると頭がおかしくなりそうなので、その反動でまともな文章が読みたくなるんですよ。そこで手にとったのが、宮尾登美子。だから今回の拡散は、宮尾登美子のおかげです(笑)。

教祖だけが幸せに
黒猫:人気ライターのヨッピーさんがユキさんの記事情報をリツイートしていたのも、拡散につながったんじゃないでしょうか。あの方、happy氏がやらかした壱岐島の縄文祭のときから、結構この界隈に興味を持ってくれてますよね。影響力のある人にも届いて「こんなものがあるんだ」と広がるのはいいなと思います。その後の賛否や善悪の判断は人それぞれですが、知らず知らずのうちに一方的に「良いもの」として浸透するのが一番怖いので。

ノジル:放り出された妊婦さんは結局、実家から金銭的支援をしてもらいながら島民の助けを借りて、島に居着いたようですね。インスタやブログも強気姿勢で発信していますが、そこでアップされている子どもたちが不安そうな顔に見えてしまう。

 子宮系の主張って「自分の幸せが、パートナーや子どもたちの幸せ」だったはずですよね。なのに家族を筆頭に、周りすらどんどん不幸になっている感じ。実際、子宮委員長時代の元夫・岡田哲也氏は、婚姻当時を振り返り「子育てを押し付けられる生活がつらかった」とか言っちゃってますし、現夫の作家は彼女の不倫宣言を受けて「二度と壱岐島には行かない」と激オコです。そしてその周りでは子連れの妊婦が路頭に迷っていたり何だり、昭和風味のドロドロ展開。

黒猫:そうそう。八木さや氏の元夫・岡田氏、チクチク攻撃していましたね(笑)。元子宮委員長が発信していた子宮メソッドって、「女性が幸せになる!」じゃなくて、「教祖が金銭的に幸せになる!」だけですよね。欲望のままに生きられると勘違いした信者も奔放な部分だけ真似して、稼ぎもないのに教祖の口車に簡単に乗せられて貢ぎ続けてしまうという。

ノジル:子宮系ではないんですが教祖様のその後……ということで、冷えとりの女王であった服部みれい氏の新刊『わたしと霊性』(平凡社)を、今読んでいるんですよ。テーマは、タイトルにもあるとおり「霊性」。宗教とか怪しいとか言われているけど、トンデモでもなんでもない! 実際にあるものを否定するのはおかしい、という主張が端々に登場するんですが、少なくとも私は霊性そのものを否定しているわけではない。無責任な健康アドバイスが、根拠ないじゃんって言っているだけで。「学びがあるんだから雇われる側がお金払ってね!」という仰天募集をした、ブラック求人のおかしさとか。

黒猫:我々はスピリチュアルそのものを否定しているのではなく、それを都合よく使うのが理解できないと言っているだけですからね。

ノジル:結局、教祖の気まぐれについていかれない人は置き去り? という感じでした。冷えとり教も子宮教も、温めれば婦人科系トラブルも解消! 的なことを堂々とアドバイスしていたのに、教祖はサックリ次のステージへ。ある程度儲けたら責任をとりきれない範疇のことからはフェイドアウトしていき、信じていた人たちを置き去りかよ~? と。壱岐島での出来事といい、なんと無責任なことよ……と思いましたよ。

ユキ:コミューン的なものを作るならなおさら、自分のシンパで周りを固めるには、シンパの面倒をみないといけないと思うんですが。なんでそれをしないんですかね。そもそも「子宮メソッド」を理解していたら、自分の事を最優先にしていいんじゃなかったっけ。なのにそれを実行したら、教祖に追い出されたという矛盾。

ノジル:本来、好き勝手にふるまうことを受け入れてもらおうと思ったら、他人の好き勝手も受け入れなくちゃいけないんですよね。「子どもを叩いていいよ」とか言っている心理カウンセラーの心屋仁之助氏も、今顧客である親たちが老いて弱い立場になったら、その子どもたちに「親を叩いていいよ」って言うのかな。地獄だなー。

ユキ:皆もそうするとうまくいくよじゃなくて、自分がそうする! ってだけの話しですよね。今日、ノジルさんが資料として持ってきてくださった八木さや氏の『お金は、子宮が引き寄せる』(河出書房新社)※1。これも「お金は私が引き寄せる」ですよね。

 私が気に入らないポイントは、こういったスピビジネスは貧しい人たちをより貧しい境遇へ追い込んでしまっていること。私は子宮系にハマって明らかに人生転落していっている友人のことがいつも頭にあるので、つらくなってしまうんです。

※1子宮委員長はる時代の、2017年に発売された。

政治の世界へ…?
ノジル:そもそも八木さや氏が壱岐島に渡ったのって、自己啓発法「子宮メソッド」を発信する子宮委員長を引退し、愛する夫に楽園を見せたくて田舎で静かにガーデニング暮らし……って感じじゃなかったでしたっけ。どうしてこうなった感。

 スポットライト症候群で静かな暮らしは無理があったのか、単にお金が必要になったかで、突然、熱血ビジネスコーチみたいなノリへ舵を切り、今は「自分ビジネス」なる情報商材で億単位の稼ぎがあったと豪語していますね。さらに化粧品ビジネスを始めたり、総理大臣になりたい! なる発言まで飛び出したりと、全然引退していない(笑)。お元気なのは、何よりですけど。

ユキ:あまり容姿に言及しないほうがいいんでしょうけど、八木さや氏、顔つき変わってきましたよね。

黒猫:しゃべり方も、怖い。エセスピ系の教祖様って、みんな似たような感じになってきません? 胎内記憶キッズのすみれちゃんも。人を信じこませようとすると、ああいう感じの演技がかったしゃべり方になってしまうのかな。普段から常に何かを演じていないといけないから、現実とごっちゃになってしまうのかもしれません。

ノジル:トークの内容も、大丈夫かしら? という感じでしたよ。インスタライブでは、「導かれたとはいえ、こんな島に放り出されてさ~」的にやさぐれ発言していました。島に失礼すぎ。

黒猫:私も八木さや氏が神社でスピーチしている動画を見ましたが、一般のかたがたに向けては「旦那さんは大学の先生をしているんですよ」とか、自分のことを「女社長でお金が余っている」というようにしゃべっているんですよね。見ている方が、恥ずかしくなってくる。いけしゃあしゃあと、良いイメージを持たせようとねえ。

ユキ:私はいっそ、ご本人が公言していたとおり出馬してほしいですね。

ノジル:おかしさが世に知られるチャンスではあるかも。選挙って、一定数すごいインパクトの候補者出ますから。公約が「皆殺し」って候補者もいませんでした? そうそう、深谷市のミルクおやじ、好きだったなあ。

黒猫:えー、でもそれで何か間違って意外と支持されちゃったらどうしようっていう。

ノジル:さすがに、それはないでしょう。

黒猫:選挙を「チャレンジした!」みたいにされちゃうとヤダ(笑)。

ノジル:happy氏のビジネスパートナーである、旺季志ずか氏の「音痴でも歌っていいチャンレンジ」みたいだな。

*   *   *

 ウォッチャー3名で話に花が咲き(毒花か?)、すっかり元子宮委員長の近況報告……みたいになりつつありますが、続く後篇こそ壱岐島が抱えるであろう問題や、ウワサの「自分ビジネス」について触れていきます! ご興味ある方は、続編もどうぞお付き合いくださいませ。

最終更新:2019/11/19 20:00
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