逮捕報道もあったけれど……

居酒屋の無断キャンセル事件を弁護士解説! 「嫌がらせ目的」でなければ逮捕されない?

 昨今、「No show」と呼ばれ、社会問題化している「無断キャンセル」問題。これは、飲食店に予約をしたものの、連絡なしに来店せず、食材費などを無駄にしてしまうという、店側にとっては死活問題に発展しかねない恐るべき行為。経済産業省が昨年発表した資料によると、国内の無断キャンセル被害額は推計で年間2000億円にも上り、被害に遭った店が閉店に追い込まれるケースもあるそうだ。

 11月11日、そんな無断キャンセルによって、逮捕者が出たことが判明。6月下旬、東京・有楽町の居酒屋に、偽名を使って17人分の飲み放題付きコースを予約したものの、無断でキャンセルしたとして、50代の男が偽計業務妨害容疑で逮捕されたのだ。なお同じ予約日で、この居酒屋の系列店4店に入っていた8~20人分の団体予約も無断でキャンセルされており、予約者が全て同じ偽名を使っていたことも明らかになっている。

 この逮捕報道を受け、ネット上では、「これで無断キャンセルが減るといいな」といった声が広がっているが、一方で、容疑者の男が偽名を使っている点に着目し、「最初から偽名なのは『嫌がらせ目的』? だから逮捕されたのではないか」という疑問の声も飛び交うことに。というのも、無断キャンセルをする人の多くは、予約段階では来店の意志があり、当然実名で予約していたものの、当日、連絡なしにドタキャンする……というパターンがほとんどとみられるからだ。

 そこで、この疑問を解消するべく、弁護士法人ALG&Associatesの山岸純弁護士に話を聞いた。

「嫌がらせ目的」でなければ、偽計業務妨害罪には該当しない?

 今回、50代の男が逮捕された、偽計業務妨害容疑とは、一体どのような罪なのだろうか。

「怒鳴ったり、暴力を振るったり、 有形的な力を用いたわけではなく、“情報や人の錯誤を利用する方法”で、他人の業務を妨害するのが『偽計業務妨害罪』です。これは3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。今回、利用するつもりがないとみられるのに、コースメニューなどの予約をしているわけなので、『虚偽の予約をするという方法で、用意した食材を無駄にさせた、その時間にほかの予約を入れることができない状態をつくった』という点において、偽計業務妨害となります」

 ということは、嫌がらせ目的ではなく、無断キャンセルをした場合は、「偽計業務妨害罪に該当しません。『他人の業務を妨害してやろう』という故意がないからです」と山岸氏は指摘する。

 たとえ当人に嫌がらせ目的がなかったとしても、無断キャンセル自体、飲食店にとって死活問題。店側は泣き寝入りするしかないとなると、何とも非情な話だが、民事訴訟を起こし、「債務不履行」で訴える道は考えられるという。

「たとえ『故意』はなくても、利用できないかもしれないのに、うっかり予約をしてしまい、そして実際に行けなかった場合には、その人に『過失』があるかもしれません。この場合、『居酒屋のコースメニューなどの提供を受ける予約という契約』を、『過失』によって履行しなかったことになり、これを『債務不履行』と言います。店側は、債務不履行として、無断キャンセルをした人物に対し、民事上の責任(損害賠償責任)を追及することができるのです」

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