“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第483回】

田口淳之介、ジャニーズ退所のウラに――中森明菜と重なる「家族の依存」と「絶縁」

2019/11/12 21:00
神林広恵
「女性自身」11月26日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 「しんぶん赤旗日曜版」がスクープし、野党が追及をスタートさせた、安倍晋三首相の「桜を見る会」の私物化問題。自身の後援会関係者を大量に招待していたというのだから呆れるしかないが、世間、そしてマスコミは安倍首相の相次ぐ不祥事に慣れっこになったのか、あまり怒りを感じられない。これこそ、やばい事態だと思う。

第483回(11/7〜11/12発売号より)
1位「田口淳之介 『お前は価値のない人間』と……その言葉で僕は家族と絶縁した」(「女性自身」11月26日号)
2位「菊池桃子 9歳年上エリート官僚の老父母が語った『W介護でも再婚!』決意の今後」(「女性自身」11月26日号)
同「菊池桃子 再婚相手の同級生が語った『彼は“靴下をはかない男”』(「週刊女性」11月26日号)
3位「葉加瀬太郎居ぬ間に! 高田万由子後輩バイオリニストとデート撮」(「女性セブン」11月23日号)

 けっこう衝撃的、そして因果なインタビューだ。「女性自身」が掲載した田口淳之介の独占インタビュー。大麻取締法違反で逮捕、執行猶予付きの判決が出た9日後に行われたというこのインタビューだが、その内容は交際相手の小嶺麗奈との関係だけではなく、田口がジャニーズを退所した“遠因”ともなる別の要素が浮かんでくる、実に興味深いものだ。

 まず、大麻使用について、小嶺が田口との交際やバッシングなどで、心身をすり減らし、うつ病の薬の効果が出ないため、大麻を使用したところ落ち着いてきたこと、2人ともカウンセリングでも薬物依存症ではないと診断され、現在は大麻を断ち切っていると語り、結婚は婚姻届を出すタイミングだけの問題など、小嶺との交際についても語られているが、衝撃だったのは、田口が“実の家族”との関係を語っていることだ。

 ステージママだったという田口の実母。実母は勝手に田口のファン相手に料理教室を開いたこともあったという。さらに母、姉、兄の“実の家族”が住む家は田口が建てたもの。そして田口がジャニーズを退所し、「金銭的な援助ができなくなる」タイミングで4歳年上の姉は田口にこう言ったという。

「ジャニーズを辞めたあんたに価値なんてない!」

 そして3年以上、田口は家族と絶縁したままだという。つまり、この一家は、家族で田口に依存していたということだろう。例えば中森明菜の家族が明菜にパラサイトし、その後、絶縁状態になったことは有名だが、田口もまた、そのジレンマに悩まされていたということだ。芸能界で成功した家族にけっこうある“家族の依存”。インタビューで田口自身は直接的に語っていないが、その端々から窺えるのが、ジャニーズ時代から家族に不信感があり、そこに登場したのが本気で田口を支えようとする小嶺と、小嶺の母親だったということだ。

 そう考えると、田口が2015年、ジャニーズを退所することになったのも、そもそもは“実の家族”の存在が大きいのではないか。田口がジャニーズを辞めたのは小嶺との交際を事務所に反対されたことだ。しかし田口は小嶺とは別れず交際を続行。事務所との不協和音が生じていた中、決定的な出来事が起こる。「女性自身」が「マスオさん同棲」と題し、田口と小嶺の同棲、そしてそこには小嶺の母親も同居しているという驚きのスクープを掲載したのだ。この報道はジャニーズのさらなる怒りを呼び、その後は田口退所の動きに加速がかかった。

 だが、田口からしたら“実の家族”以上の存在になっていた小嶺母娘を捨てることはできなかった。ジャニーズを辞めてでも。実際、田口は今回のインタビューで小嶺ママについて、こう語っている。

「(小嶺と交際してきた)この13年の間には、僕と彼女のつらい瞬間が重なるタイミングが何回かありました。そういうとき、お母さんがそばにいてくれて本当に助かりました」
「お母さんは、彼女と一緒で、すごく愛情深い人なんです。僕にとっても、彼女のお母さんのほうが(実母より)本当の母親のような気がして……」

 小嶺母娘に固執したのも、そもそもは実の家族への不信感から。田口のジャニーズ退社には、そんな背景があった。そして今回、田口のインタビューを行ったのが、かつて「マスオさん同棲」スクープで田口退所を決定づけた「自身」。なんとも因果である。

On the Moon 田口淳之介写真集
依存の連鎖
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