まだまだ『27時間』引っ張りますよ!

『27時間テレビ』、歴代ワースト記録の“戦犯”は「一時代を築いたヒットメーカー」?

2019/11/06 19:30
村上春虎
『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)公式サイトより

 復活の狼煙が、これで消えてしまった。一時期の低迷から脱し、視聴率は底上げ傾向にあったフジテレビだが、11月2~3日にかけて放送された『FNS27時間テレビ』の平均視聴率は5.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)に終わった。この数字は33回を数える同番組で歴代最低。7.3%と歴代ワースト1だった昨年を大きく下回る、無残な“汚名”を残してしまった。

「こういった長時間番組はテレビ局の体力が試される、大事な試金石。テレビ朝日がまだ今ほど盛況ではなかった1996年、『27時間チャレンジテレビ』と銘打ち、全日本大学駅伝や30人31脚などが組み込まれたものの、番組は翌年と併せて計2回しか続きませんでした」(芸能ライター)

 その点では、33回も継続しているフジは体力があるといえるが、今年の放送で一番数字を獲ったのは定番アニメ『サザエさん』(瞬間最高視聴率は12.8%)という体たらく。「放送枠を27時間ぶち抜いた意味がわからない」と、ネット上でも指摘されている状態だ。

「史上ワーストになった原因として、オンエアが通常時期より大幅にズレ込んだことがまず挙げられます。2016年までは毎年7月末、さらに17~18年は9月初旬とオンエアは変わっていきましたが、今回はさらに2カ月も繰り下がっている。放送後、SNS上では『いつやってたんだよ』『やってたことを今知った』といった声も多数寄せられていました。こうした大型番組はいわゆる『風物詩』的なところがあり、お茶の間での視聴習慣は意外とあるものです。そこを軽視したのは計算ミスでしょう」(業界関係者)

 さらに番組のテーマも問題だろう。今年は「にほんのスポーツは強いっ!」と掲げられたものの、スポーツといっても野球からサッカー、そしてラグビーといろいろあり、それぞれにファンはいるが、「スポーツファン」となると、はなかなかに難しいだろう。

「生放送と言いながら収録番組が多かったのは、視聴者が失望した要因になりました。総合司会で72歳のビートたけしが27時間の生放送を乗り切れるのかも注目が集まったものの、ほぼ“番組キャプテン”の関ジャニ∞・村上信五が仕切る時間が多かった。さらに、“マネージャー”の松岡茉優は、事前に出演が周知されてなかった上に、番組でもこれといった役割はなく、ただ居続けた状態で、そこに違和感を覚えた人も多かったのでは」(前出・芸能ライター)

 番組のオリジナルチャレンジ企画には、「ボウリング『10レーン連続ストライクへの挑戦』」というものも。ボウリング自慢の芸能人たちが10レーン連続でのストライクにチャレンジしたが、7レーンまで到達すると中継が入ってプレイを中断され、緊張が緩んでしまったのか再開した途端ミスをしてしまうシーンを繰り返していたという。

「ほかにも、“27時間テレビ”に引っ掛けて、スポーツにまつわる27のサブテーマを作って『バカリズム スポーツの謎』『池上彰&たけしの世界のスポーツとお金のはなし』といった企画もありましたが、ありきたりのスポーツ秘話やお金の話に終始。何の面白みもない番組をよく作れるなと感じていましたね。構成作家陣の顔ぶれを見ると『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『めちゃ×2イケてるッ!』といったフジテレビの一時代を築いた過去のヒットメーカーが並んでいました。今のフジには大型番組を任せられる人材がいないのかもしれませんが、過去の功労者を引っ張り出してきての大コケでは、さすがに目も当てられません」(同・関係者)

 ちなみに冒頭述べた5.8%という平均視聴率は、2日夜に初回を迎えた新シリーズ『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系)と同率だ。一時期沈静化していたフジテレビへの揶揄も、これでぶり返してしまうのだろうか?
(村上春虎)

最終更新:2019/11/06 19:30
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