「ちょっと高い」ユニクロのイメージ

ユニクロユー(Uniqlo U)の落とし穴――トレンドを押さえたコラボラインは「高品質&低価格」でも、購入には要注意!?

2019/10/20 19:30
南充浩

クリストフ・ルメール氏とのコラボライン「ユニクロユー」、購入者視点で考える欠点

 しかし、業界の評価と一般のマス層の評価は必ずしも一致しません。「ユニクロU」も、一般の購入者視点で見ると、「欠点」となり得るポイントはありそうです。

「ユニクロU」はどのようなラインかというと、まずその特徴として、基本的に最近のトレンドである「ルーズシルエット」が挙げられます。よほど体格の大きい人以外はMかLサイズで着られるのではないでしょうか。また、ルメール氏がフランス出身のため、どことなくフランステイストもあり、さらに色は基本的に黒、紺、ベージュが中心ですが、中に1色か2色、アクセントカラーが差し込まれているのも特徴。 なお、使用素材はユニクロ本体よりもワンランク上のものが多く使われており、商品価格も1,000~3,000円くらい高くなっています。

 ユニクロUは使用素材、縫製仕様ともに品質が高く、最新のトレンドを安値で試せるとはいえ、一般の購入者の中には「着こなすのが難しい」と感じる人が、少なからずおられるのではないかと思います。その理由はさまざまあるのでしょうが、個人的に真っ先に思い浮かぶのが、先ほど指摘した、トレンドの「大きめのルーズサイズ」という点です。

 15年頃から、それまでの流行だった「ピチピチ」「ピタピタ」のタイトシルエットへの反動として、ダボっとしたルーズシルエットへの注目が始まりました(この火付け役は「ヴェトモン」だと言われています)。ユニクロの商品も、ベーシックとはいうものの、トレンドはそれなりに反映するので、15年頃までは、比較的タイトなシルエットが主流でしたが、今ではややゆとりのあるシルエットの商品がほとんどとなっています。そして「ユニクロU」のアイテムは、このゆとりある本体ラインよりも、またさらに大きめのサイズ感となっているのです。

 ファッション好きの若い人たちの間では、あえて2~3サイズ大きめの服を着ることがはやっていますが、中高年層に、その着こなしはなかなか似合いません。本体ラインでMサイズだからといって、「ユニクロU」でもMサイズを選べばよいかというと必ずしもそうではなく、体型や体格にもよりますが、Sサイズを選んだ方がすっきり見えるという人も少なくないのです。つまり「ユニクロU」はサイズ選びが難しいと言わねばならず、そこを間違えるとダボダボでだらしなく見えてしまうという危険性があります。

 また、「ユニクロU」のカラー展開にも、欠点というより「惜しい点」が存在します。先ほどアクセントカラーが差し込まれていると指摘しましたが、結構目立つ色が選ばれるので、苦手と感じられる方も多いのではないかと考えられるのです。ただし、柄物は少なく、ほとんどが無地なので、その部分では、多くの購入者にとっては手に取りやすいのかもしれません。

 ちなみに柄物の話で言うと、「JWアンダーソン」とのコラボラインには柄物が多く、しかもアクの強い特徴的な柄も珍しくありません。この柄が一般的に不評なのか、「JWアンダーソン」コラボアイテムには売れ残る品番が多く、最終的に驚くほどの安価に値下げされる場合が結構あるのです(逆に、お買い得とも言えますが)。

 このように、購入者視点だと、「欠点」や「惜しい点」もある「ユニクロU」ですが、その部分に気を付ければ、本当にお買い得な商品が多いのも事実。ぜひチャレンジしてもらいたいと思います。
(南充浩)

最終更新:2019/12/20 11:40
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