高橋ユキ【悪女の履歴書】

教祖は「母以上に母だった」――父親を殺害した教団と女性信者の“罪”【板橋・占い師グループによる射殺事件:後編】

「私は今も母がわからない」「吉川さんは、母以上の母」

「母はいつも親戚の悪口を言っていて、父はそれを力で押さえつけていました……母を閉鎖病棟へ入院させたり……。私は今も母がわからないのです。吉川さんは母のようでした……今も……母がせめて私の話を聞いていてくれれば……吉川さんは、母以上の母でした。母は父との確執に関わらず、病気に逃げていました……現在は、母は家を出ています」

 傍聴席から実母の嗚咽と「バカモン!」の声が響く。

「父のことを思うと、なぜ、こんなことをしてしまったのか……。言葉に表すことができません。殺害直前に父の在宅を確かめるため、吉川から、父に電話するように言われたとき、『逃げて』と一言言えばよかった……。お父さん……ごめんなさい……。父は私を許さないと思いますが……父に許してもらえるまで……毎日祈って、祈りつづけたいです。おじさま、おばさま、迷惑をかけて……すみません」

 だがそれら訴えも判決では一蹴され、「遺産目的の動機に酌量の余地は皆無。報酬を約束し殺害を依頼した上、多額の財産を相続しており責任は最も重い」と無期懲役の判決が下された。

 友子は実行前、吉川らに遺産から報酬を支払う約束をしていたが、丸山さん殺害後、遺産5億円を家族で分配したのち「グループ向日葵」を抜け、吉川らが報酬を受け取ることはなかったのだ。

 そして、事件後に500万円を友子から受け取ったとされる吉川は、同地裁の判決において「殺害の司令塔」と認定されながらも、自白したことを考慮され、懲役20年の判決が言い渡された。

教団をめぐる、別の未解決事件の存在

 ところで、この事件にはもう一つ別の疑惑が囁かれていた。丸山さん殺害から約3カ月後の9月1日未明、東京・歌舞伎町の「明星56ビル」が火災に遭い、44人もの犠牲者を出しながらも、いまだ火災の原因が明らかになっていない「歌舞伎町ビル火災」についてだ。火災に遭ったビルで「一休」という麻雀ゲーム店を経営していたIという男は、吉川の娘婿だったのである。丸山さん殺害の報酬としてアテにしていた遺産が「グループ向日葵」に入らなくなったことで、実行犯の暴力団員らと吉川が報酬を巡ってトラブルになったのではないか……と報じられている。結局この疑惑は、藪の中である。

 当の実行犯グループを取りまとめていた教団ナンバー2の渡辺は、05年当時、公判も終盤に差し掛かった頃、「吉川には5000万円以上の借金があり、返済を迫られていた。返せず自己破産すると告げたら『娘婿の店に火をつける』と言われていた」と証言している。
(高橋ユキ)

【参考文献】
「FRIDAY」2003.3.14号(以下、略)
「女性自身」 2003.3.18
「週刊新潮」2001.9.27、2002.9.5、2003.1.23
「サンデー毎日」 2003.2.2
「週刊現代」 2003.3.15
「毎日新聞」 2003.1.30

最終更新:2019/10/14 21:00
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