お笑い業界は中も外もひどいね

Aマッソ“差別発言”、お笑い業界の「深刻な問題」――太田光&AERAの“擁護”も炎上

2019/10/05 10:00
大越一郎

Aマッソを擁護する声が起きるワケ

 一方で、今回の騒動に関して、「Aマッソはほとぼりが冷めたら復活するのではないか」という意見がいくつも聞かれた。実際にAマッソを擁護する芸人やお笑い関係者も出てきている。爆笑問題の太田光は「彼女たちに差別意識はないとわかってあげてほしい」とラジオで発言した。

 また、お笑いライターのラリー遠田氏の擁護が炎上する騒動も起こった。AERA.dotの連載「道理で笑える ラリー遠田」において、「Aマッソの発言に相次ぐ批判 背景にあるのは『芸人差別』か」というタイトルで、Aマッソを擁護する記事を展開。ラリーはこう書いていた。

「差別心の発露ではないと考えるのが自然だ。つまり、これは事件ではなく事故である」「無知や誤解からたまたま生じた差別発言なのだ」 

 朝日新聞系列のサイトにこんな内容が載ったことに驚くが、案の定、後日、全文削除され、同サイトに「差別表現は、差別する意識の有無にかかわらず、それが差別を温存・助長することにつながることが問題だと、弊社は考えています」「不適切な表現を掲載したことは誤りでした」とお詫びが載った。

 太田やラリーのように、「本人たちに差別意識はなかったから大ごとにすべきではない」とAマッソを擁護する声は、お笑い業界全体の考えにも思える。

“ダイバーシティ”=多様性の知識すらない

 今年の初旬に、日清食品の商品PRアニメの中で、大坂選手の肌が実際より白く描かれたことは、「褐色の肌の色への差別ではないか」と大きく問題になり、同動画は削除された。日々のニュースをチェックしていれば知っていて当然の騒動だったはずだが、Aマッソはどうだったのだろうか。仮に知らずにいたとしたら、勉強不足がすぎるのではないのだろうか。

 そして、この勉強不足は芸人全体の問題かもしれないという指摘もある。

「ある実力派の芸人がYouTubeでこの騒動を取り上げた時に、『ダイバーシティ』を会場名と勘違いしてたんですよ。『M-1』決勝にも出た経験がある芸人なのに。そのクラスの芸人でも、ニュース記事の中にダイバーシティと書かれていると、会場名と勘違いしてしまう。“ダイバーシティ”というお台場のショッピングモールに大きなライブ会場はありますよ。でも、今回の報道の中で出てくる“ダイバーシティ”は多様な人々を受け入れるという意味です。それを知らないのは、公の場所で発言する仕事をしている人たちとしてはどうなんだろうと思ってしまいますね」 (報道関係者)

 闇営業に差別発言……これらを通して、お笑い業界の問題点が浮き彫りになり、クローズアップされる。今後、どう対処していくのか注目したい。
(大越一郎)

最終更新:2019/10/05 10:00
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